どらむろ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2014年夏アニメ最優秀作品。地味だが最高に可愛い日常系アイドル
タイトルからは(ろこどるって何?ラノベ?)とパッとしない印象受けてしまいますが…ズバリ、2014年夏アニメ最優秀作品でした。
ジャンルは「日常系風味の御当地アイドル」アニメ。
既存のアイドルアニメには意外に無かった新境地を切り開いた作風で、地味(低予算?)ながら作画・脚本・音楽いずれも真摯に丁寧に作られた素晴らしい良作でした。
※ちょっと好き過ぎてベタ褒め気味、冷静な評価では無いかも知れません…
{netabare}『物語』
「ろこどる」とは「ローカルアイドル」つまり御当地アイドルの事らしいです(本作で初めて知った)w
タイトル通り、ごく普通の女子高生の宇佐美奈々子が、市役所の地域振興課課長の叔父の策略wで地元の流川市(千葉県流山市がモデルらしい)をPRする御当地アイドル「ろこどる・流川ガールズ」をやってみる事に。
元市長の孫娘で完璧超人なお嬢様アイドル小日向縁(ゆかりさん)と共に、悪戦苦闘しながらも、持ち前の真面目さと地域愛で次第にろこどるとして成長していく…。
まず第一に、既存のどのアイドルアニメとも異なる切り口と作風なのが「最初から市役所所属の御当地アイドル」である事。
アイドルを目指して努力するワケではないので、最初から与えられた御当地PRの仕事を健気に頑張る感じ。
基本「普通の女子高生」で、ほのぼのとした日常系の緩さがある一方、一貫して地元を愛し、地元から愛されるアイドルとして成長していく。
優しい世界であり、地元の人々やゆかりさん、御当地マスコット「魚心くん」の中の子・ゆい先輩とみらいちゃん、地域振興課の叔父さんそして、超敏腕マネージャーの西深井さん達の温かい応援と見守りの中で、一生懸命にがんばる姿に、終始応援したくなる可愛さがあった。
萌え的には、軽い百合風味なのが大好物です!
ゆかりさんが奈々子ちゃんラブで(それ除けば完璧なお嬢様アイドル)終始、軽めの百合萌えを見せてくれる。
…一見ガチに見えるが、一線は超えない健全さがミソ。
本作は地味で健全な作風で、百合萌えといってもあまり露骨なエロスは無いのだが、そこが逆に、緩めの微笑ましい雰囲気に繋がっている気がする。
ゆかりさんが奈々子を好きになった経緯が9話で語られ、これまでの奈々子の真面目で良い子さを知っている視聴者目線でも(ああ、確かに奈々子ちゃんは可愛いよな~)と納得します。
終盤の「ろこどるフェスタ」から最終回に至るストーリーも地味ながら素晴らしいです。
地味な流川ガールズと違い大人気アイドルのアワアワガールズとの対比から、奈々子たち流川ガールズの「地元を愛し地元から愛される、ろこどる」のスタンスを明確に打ち出し、地元イベントと日程が重なる苦境を健気に乗り越えて行く。
1話から一貫した奈々子たちの頑張り、そしてライバルのアワアワガールズからも粋な計らいを受けて流川に帰還。
ああ、なんていい子達なんだ…!
序盤に登場した和菓子屋の頑固親父がサポートしてくれたり、地元の人々からの温かい応援。
優しい世界。本作はとにかく優しい世界で、安心して癒されます。
そして地元流川で初披露する、4人の地元への想いを込めた新曲。
………ッッッ!!!
素晴らしい!グッと胸打たれました。
3話引っ張った期待以上のクオリティーは圧巻でした。
総じて
ごく自然な、優しい世界
首尾一貫して「地元を愛し地元から愛される、等身大のアイドル」
ほのぼの日常系要素、軽めの百合萌え要素も♪
脚本は地味ではあるも非常に真摯に丁寧に作られており、1話からのアイドルとしては凡庸で地味だが一貫した健気な頑張りが、最終話に完璧に結実する完成度。
最終話の後で、もう一度1話から見直しても、ゆかりさんの奈々子への想い等(ああ、そうだったのか)と納得させられる等の全体構成の巧さ。
等々、繰り返し視聴するに足る高いクオリティーがあります。
アイドルアニメや日常系アニメは飽和状態ですが、本作は、既存の作品には無い独自の魅力を出す事が出来た良作だと思います。
『作画』
さほど予算を掛けてはいないっぽいが、それでも地味ながら自然で健全な可愛さを感じる好ましい作画。
ディフォルメ多用もユルい雰囲気醸成に一役買っていたり、地元風景の地味さも御当地番組めいた素朴さに繋がっている。
キャラ作画、特に奈々子の可愛さはバツグン!
決して抜きん出た美少女では無い地味な作画のハズなのだが、これが実に可愛い。
奈々子みたいな「普通に可愛い」タイプは貴重です。
ついでに巨乳過ぎない「普通の美乳」っぽいのも好印象♪
アイキャッチを多用、これがあざとくて非常にかわいい♪
…圧巻は最終話のろこどるフェスタで「流川ガールズソング」披露したシーン。
ここ一番の見せ場!という場面で最高のクオリティーを叩き出したのは見事。
たった二人だけだが立派なライブシーンであり、強豪アイドルアニメのライブシーンにヒケを取らないのでは。
…全般的には良作画では無くとも、要所要所を押さえた好ましい作画でした。
個人的好みからすると4.5はあげたい位だけど、相対的クオリティーからすると流石に過大評価かも、と思い、ぐっと堪えて自重。
最終話ライブシーンに限れば、文句無しに5点満点でした。
『声優』
宇佐美奈々子役の伊藤美来さんが、若干ぎこちなくとも、逆に奈々子の素人アイドルらしさが出ていたハマリ役でした。
主要4人全員可愛く持ち味発揮。
みらいちゃん、こころぴょんぴょん♪
野田ちゃん役の井澤詩織さんが特徴的で結構良かったです。
ライバルのアイドル勢の方が豪華だったり、狙った配役でしたw
『音楽』
OP「ミライファンファーレ」
ED「未来少女」
流川市の歌「あぁ流川」
御当地マスコット魚心くんのテーマ「魚心くんソング」
そして最終回の見せ場で披露した「流川ガールズソング」が圧倒的に素晴らしい!
奈々子たち4人の地元流川への想いの丈を素朴に綴った良曲で、正に「普通の女子高生がろこどるやってみた。」の主題を完璧に捉えていて感激。
OPやEDは一見すると平凡なアイドルソングに過ぎないハズなのに、何度も聴いていると不思議と本編とリンクした感慨が湧いてきます。
何故だろう?
EDの「す~す~め~♪恋する乙女~♪」の辺りで少しずつメンバー揃い最終的に4人が走る場面で、何故か不思議と目頭が熱くなる…。
「ああ流川」も正に地元愛に相応しい名曲、感動のライブの後に地元イベントでは、第1話以来のこの曲でしめたのが感慨深いです。
音楽面で、最高評価してもいいんじゃないかな!?
『キャラ』
「なにゃこ」こと宇佐美奈々子ちゃん可愛いよなにゃこ。
個人的に、2014年夏アニメでダントツ最萌ヒロインです。
決して抜きん出た美少女でも無い、ヘタするとモブの一人っぽい凡庸な少女にも関わらず、錚々たる萌えアニメやシリアスアニメのヒロイン達に決してヒケを取らない魅力を発揮。
普通に可愛い!健気で応援したくなる!
1話時点から最後まで一貫した、真面目で真摯な良い子さ。地元への愛。
和菓子を心から美味しそうに幸せそうに食べる姿。
こりゃあ、地元流川の人達から愛されますわ~!ゆかりさんから愛されますわ~!
地元だけでなく、画面の外の視聴者からも愛されますわ~!
平凡だけど天然で素朴な、とっても良い子。NHKアニメの主人公務まるレベルです。
ゆかりさんからの百合っぽいアプローチを自然体で流しつつ、無邪気に逆襲♪
※ワタさんのレビューで仰る通り、なにゃこのノンケ攻め×ゆかりのガチ受けは最高ですなグヘヘヘヘ♪
視聴者の圧倒的なにゃこ人気に隠れてしまっているが、ゆかりさんも可愛いです。
奈々子ラブな百合っぷり以外は完璧超人な美少女、精神的にも奈々子の姉ポジとして頑張りました。
魚心くんの中の子、小さいのに巨乳で最年長のユイ先輩も可愛い!
太眉の子は大好きですよ!チャイカとか。
最後のメンバー、みらいちゃんも可愛い!
人みしりだけど意外にちゃっかりしてる?ところが。
本作は大人がしっかりしているのも好印象。
叔父さん、西深井さんら大人の温かい応援あればこその、安心してろこどる活動が頑張れた。
同時期の「ハナヤマタ」もだが、大人が存在感発揮する作品は良作多いです。
地元の人々そして、イベントで出会ったタマホッシーくんの中の人や、粋な計らいしてくれたアワアワガールズ等、とにかく皆優しくて良い人達ばかりで癒される。
何気に奈々子の友達の野田ちゃんも可愛かった。
終盤に奈々子を心から応援してくれ、奈々子とゆかりさんの歌に涙浮かべた辺り野田ちゃんもほんと良い子だなぁと思った。
2014年夏アニメ最萌ヒロインのなにゃこちゃん初め、全員例外無く素朴だが気持ちの良い人達ばかり。
キャラクター面でも素晴らしいです。{/netabare}