plm さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
余韻のないテロル
2014年夏ノイタミナ枠で放送された渡辺信一郎監督のオリジナルアニメ。
「テロル」が何を指すかと言えばずばりそのまま「テロリズム」である。
主人公たちはテロリストという、かなり過激な内容になっている。
■犯罪行為を題材に、ってそんなのアリ?
演出は迫力があり、緊迫感があって引き込まれるのだが、やってることはただの犯罪である。
いくらカッコよく描かれていても、どこかもやもやした感情が残ってしまう。
とはいえ、彼らの目的が明かされていないうちにあれこれ考えても仕方がない。
テーマに見合うだけのメッセージ性があるのかもしれない……
{netabare}……、……。
……はい、なかったですね。
雰囲気社会派アニメの、実質ファッションテロリズムなエンタメアニメでございました。
都庁爆破やら計算違いとはいえ地下鉄爆破やら、思いっきり被害がでてるのに
「やつらは人殺しはしない、ただのテロリストじゃない!」
なんて、警察側に持ち上げられてるあたりは痛々しかった。いや人死にでてもおかしくないだろ!
あげくEMPが持ち出されてきたけど、あれで人が死なないのは理屈上の話であって
広範囲の都市部で電気機器が破壊されたら、ほぼ確実に死亡事故起きるでしょ!
突っ込み所は満載。
物語上まるで役に立たない、足手まといでしかなかったリサちゃん。可愛かったけど。
あれでは囚われのお姫様という展開がやりたかったためだけに用意されたお人形だ。
マスコット的な存在としてなら良かったので、いっそ重要な部分には関わってほしくなかったなぁ。
アメリカ政府よりやってきたハイヴさん。かつての仲間との対決という展開はたしかに燃える。
けれど、その展開を優先しすぎたせいで一体何が目的だったんだ?というあたりが曖昧に終わり、
何のためにでてきたのかよくわからないキャラクターとして退場なされてしまった。
ナインの耳鳴りの伏線もどこへやら、どちらかといえばフラグを回収してたのはツエルブだった。
展開を見てもキャラクターを見ても、その都度勢い任せのスペクタクルを繰り広げる本作品。
かき乱すことが主体で、ストーリー軸はあってないようなものだったんじゃないかと思う。
エンタメ作品として、深く考えずに雰囲気を楽しむ分には良かったんじゃないかなあ。
演出や間の取り方はなかなか良かったのだから。特に序盤は魅力を感じる作品ではあった。
ノイタミナ枠はどうしてか最初は期待させられるんだけど、中盤から勢いが落ちてきて
終わり際になると腑に落ちないまま尻切れトンボになってしまうものが多い気がするなぁ。{/netabare}