ジャッジ・シャンゴ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
改定版・正義とは、そして・・・
この戦いは最終決戦(第五次聖杯戦争)に向かうための、敗北の物語とも言える。
切嗣が知った聖杯の真実。切嗣がセイバーに下した令呪。
そしてセイバーは失意のうちにこの聖杯戦争を終えた・・
もし、セイバーがこの戦いで勝利し、聖杯の願いを叶えたら、きっと
敗北よりも恐ろしき世界が待っていただろう。
ブリテン王の再選定を名目としたものを聖杯のなかのアレが行うのを想像するとどうなるのか?
Fate/Zero後半戦の中で印象的なエピソード
1:キャスター討伐戦
この闘いを最後に、Zeroは地獄の闘いへと向かう。そしてZeroの娯楽作としての面はこの話で影を潜める。
2:キャスター亡き後初の闘い
監督役の死、ソラウの悲劇、そしてセイバーはついに・・
この話は英雄というものへの皮肉を描いた回でもある。
実際、史実および原本のアーサー王の物語はメロドラマの一面を持っていたとされる。
エクスカリバーに付着した何かは、王国に攻めいった蛮族もまた「人間」であり、聖剣として語られる武器も
戦争の道具でしかないと著者は伝えようとしていたのかも知れない。
3:多くのために少数を犠牲にするのか…
切嗣過去編と最終章。
切嗣は正義の味方に憧れていた。だが、そこで過酷な現実を目の辺りにして、さらには
仲間を犠牲にせざるを得ない状況をも経験した。
戦場を転々とし、多くのために少数を犠牲にしてきた。
だが、最終章で聖杯の泥を浴びた切嗣は謎の空間で
謎かけを受けることとなった。
そして選んだ結論は・・・
このFate/Zero終了後、吐き気を催す邪悪を体現する事件が世間を騒がせた。
「Fate/Zero」は我々に警告していたのかも知れない。
正義とは、悪とは何か。少数(被害者)のために多数(容疑者と容疑者擁護)を倒すか。
本作後のクールでは、ガンダムAGE最終章やSEEDリマスター後半戦、
アシュラ、サイコパス、マギ、テンペスト、まどか劇場版、
コードブレイカー、BTOOOMといった正義の在処を問う作品達が次々と現れた。
正義の在処を問う流れは翌年始めでも続いたとされる。