OZ さんの感想・評価
3.0
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
強くてニューゲームな一見さんお断りアニメ
原作のゲームはプレイ済みで
2011秋~2012冬に2クール掛けて放送された
『persona4 the ANIMATION』も視聴しており
元が好きなシリーズなので
楽しみにしていた2014夏アニメ
■強くてニューゲームな一見さんお断りアニメ■
RPGをプレイしていると
よく"強くてニューゲーム"の単語を目にする。
一度クリアしたステータスをそのまま引き継いで
二周目以降をプレイする事なのだが
『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』(以下 P4G)は
まさに強くてニューゲームな作品である。
追加されたシナリオがメインとなっていて
ストーリーや設定等は大幅にカットされており
ゲームをプレイした人
又は『persona4 the ANIMATION』(以下 P4A)を
観ている事が前提な為
今作品から入った人は
話の流れを理解するのに一苦労するだろう。
新キャラクター マリーを中心に
バトルシーン(追加場面を除く)やキャラの登場シーンは無く
代わりに日常パートのみとなっているので
「あれ?このキャラ何時登場したっけ?」と
ハッキリ言ってストーリー性は皆無。
良くも悪くも
完全にファンへ向けた内容であり
ファンの人は楽しめるが
そうでない人にとっては
楽しめるのかが疑問だ。
「もう知っているから説明しなくていいよね♪」と言わんばかりに
本筋を大幅に省いた構成は
一見さんお断りアニメと呼んでも
差し支えの無い出来映えである。
■鋼のシスコン番長■
さて どこら辺強くてニューゲームなのかと言えば
主人公 鳴上 悠がP4Aに比べて
全くの別人格となっている事だ。
例えば 転校初日の自己紹介時に
「不本意ながら転校生を紹介する
ただれた都会からへんぴな地方都市に飛ばされてきた哀れな奴だ
いわば落ち武者だ 分かるな?」と
担任のモロキンからキツイ挨拶を受ける場面がある。
ゲームをプレイした人は分かるだろうが
挨拶に対して
①よろしく
②……
③誰が落ち武者だ
以上の3つから選択肢を選べる。
P4Aでは勇気のステータスが「なくはない」と
最も低いので②を選択していたのだが
今作品では最初から勇気のステータスが
最も高い「豪傑」な為
③を選択するという豪快な男ぶりを披露。
他にも真面目なものから
おふざけの様な選択肢が多い中
今作品はおふざけの選択肢を
ひたすらチョイスしていくので
P4Aの時に見せた
クールな鳴上 悠は存在しないのだ。
また彼は居候先の娘 堂島 菜々子を
何より最優先する重度のシスコンキャラへと変化。
公式HPでもシスコンはネタにされ
後に発売された格闘ゲーム
『ペルソナ4ジ・アルティメットイン・マヨナカアリーナ』では
"鋼のシスコン番長"と異名が付けられる事となる。
クールな主人公も良いが
今回の鳴上 悠も一つの姿なので
ここまで大胆に描いてくれると
ファンとしては嬉しいものである。
■あとがき■
つまらなくは無かったが
ペルソナファンからすると
実に評価が難しい作品でした。
しっかりペルソナらしさは伝わってきたものの
物語の本筋をほぼ省いちゃうと
初めて観た人は「?」になるんじゃないかって感じたよ。
それと気になったのは作画。
全体的にかなり乱れていて
P4A時のクオリティからは程遠い出来だったな。
厳しい評価になってしまったけれど
好きな作品だからこそ
丁寧に仕上げてもらいたかったね。
それでは エブリデイ ヤングライフ ジュネス♪
満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5)