天啓 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見応えるサスペンス
●概要
太陽を盗んだ男をモチーフとした
政治サスペンス
主人公達が日本政府が密かに製造していた原爆を盗み出し
国を相手に 自分たちの要求を突き付ける
警察VS主人公達(スピンクス1号、2号ことナインとツエルブ)
頭脳戦が展開してゆく
東京都庁爆破の際、一人の少女を救ったことで、少しづつ、計画に綻びが・・・
もともと、誰も殺さないテロを計画していた二人
しかし、都庁から逃げ遅れた一人の少女が・・・
●感想
ノイタミナらしい作品だなというのが第一印象
ちょっと政治色が強くて、左よりの作品だなぁ~と思いながら見ていた
最後まで見て、決して左の作品ではないと気付いた
警察を悪者にしているわけでも無く、アメリカを悪者にしている訳でもなかった
警察にも出来る人間(柴崎刑事)を配置し、主人公達との頭脳戦を展開させる
アメリカFBIも介入してくるが、その中の中心人物として同じ施設で育ったファイブを敵として配置、そのファイブを悪者(敵)として置くことで、アメリカという国では無くファイブ個人にその責任をすべて載せ、アメリカという意識を薄くさせているところが上手い
最大の敵は、戦後日本政治の暗部 日本の自立を目指し、人工的に優秀な人材を
育成しようとして、無理やりサヴァン症候群の人間を作り出そうとするアテネ計画
とそれを首謀した黒幕たちだった訳だが
確かにそのくらい深い暗部の黒幕たちと、その事実を暴露するためには
自分たちの発言を無視できない状況作りが必要だ。
そのため、わざと自分たちをメディアに露出させ、世間に注目される存在になる。
普通なら闇から闇へ葬られるのが落ちだからね
なかなか、凝った脚本だね
多くの方が指摘しているが、ヒロインのリサの存在
リサの存在は必要だったのか?
私は、かなりの役どころと思うけどな
彼女がいなければ、ナイン、ツエルブに救いがない。
ナインとツエルブの計画に綻びを入れさせる存在であり、足を引っ張る存在dでもあるが、それは、彼女の意思では無く、ナインとツエルブの彼女に対する優しさがそうさせた。
これで、ナインとツエルブの中にある優しさを演出している
(もっともツエルブはもともと優しかったけど)
それともっとも、重要だったのが、墓参り
このシーンこそ、彼女が彼等の救いとなった瞬間であり
彼等の女神だったのだ。
直接のライバルであった柴崎刑事も墓参りするが
これは、彼等が行おうとしていたことへの理解と、国が彼等に行った非道の
詫びという意味であろう。
作画も素晴らしく、なかなか見応えのあるサスペンスストーリーだった。
砂の器とか昔の名作サスペンス映画が好きな人ははまると思う。