「ジパング(TVアニメ動画)」

総合得点
71.9
感想・評価
255
棚に入れた
1270
ランキング
1250
★★★★☆ 3.7 (255)
物語
4.0
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ネタバレ

雷撃隊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

艦娘もいいけど本物の艦艇もよろしくね

アニメの艦これが意外にも歴史のifに挑む仮想戦記で楽しかった。しかしあちらはやたらと味が濃すぎるのも事実。いきなり上級者向けのネタが多すぎる。如月の轟沈やスコールによる戦闘中断にピンと来る人は圧倒的少数だろうし一見さんに優しくないアニメだ。本作をあれと同列に並べるのはどうかとも思うけれど歴史のifに挑む仮想戦記として共通点が無きにしも非ずだろうか。ちなみに一見さんに優しいのはこちら。情報量ゼロでも興味さえあれば戦史がよく解る。

自衛隊のイージス艦「みらい」が昭和17年にタイムスリップ、乗組員たちが巨大な運命に戦いを挑む。由緒正しき海洋冒険活劇だ。日米両軍の艦艇、航空機に加えて実在の人物もオンパレード。歴史に詳しい人も納得するだけの人名録としての情報量も充分だ。山本五十六、米内光政、石原莞爾、東条英機、黒島亀人、古賀峰一、チェスター・ニミッツ、レイモンド・スプルーアンス、ウィリアム・ハルゼーetc、これの登場人物を憶えていれば「オレ、戦史に詳しいぜ」とマジで威張れる。初心者からベテランまで納得の「楽しく学べる海戦史」だ。

原作ではイージス艦「みらい」が各地の有名な戦場を転戦し歴史を覆してゆく。まず自衛官が史実を解説しつつミッションを行う。さながら自衛官が案内役だ。まず冒頭、「みらい」がミッドウェー海戦域に出現、大和や長門と遭遇する。その後連合艦隊のスタッフと出会い戦場へ。「みらい」が転戦する主な戦場は「ガダルカナル」「キスカ」「ビスマルク群島」「インド洋(この作戦は史実のインパール作戦にあたる」「タラワ」「マリアナ沖」有名どころを押さえている。


歴史のifの部分は恐らく石原莞爾中将の構想のシミュレートだろう。石原中将というと東条英機に「あなたが辞任するのが一番いい方法だ」といちゃもんつけたので有名。劇中の彼は「北はアリューシャン、南はソロモン、このままじゃ本土がガラ開きだ」と警告する。まさにその通りの敗北だ。本作の日本軍は戦後の情報をもとに戦線縮小を実行する。中国戦線はソ連・満州国境まで撤退し海軍はソロモンを引き払いマリアナまで撤退する。昭和19年に設定された絶対国防圏を戦力を温存しつつ早めに設定する。

アニメはコミック40巻のうち7巻までだが26話でも充分雰囲気を満喫できる。アニメの見所はミッドウェー海戦の戦闘と第一次ソロモン海戦、空母ワスプVSイージス艦みらいの対決だ。近代兵器VSアナログ兵器の大群の大立ち回りはタイム・スリップものの醍醐味だ。キャストも稲田徹、屋良有作、上田祐司と男臭く渋い。やはり軍艦はムサクルシイ野郎の世界でいいのだ。

艦艇はお馴染み大和、長門や鳥海、高雄、扶桑、山城、伊勢、日向あたりまで網羅している。零戦や99艦爆や97艦攻等航空機も大活躍。アメリカ側はドーントレス艦爆やF4uが登場。バトルシーンも迫力だ。

近頃は海ゆかば「艦これ」山ゆかば「ガルパン」空ゆかば「スト魔女」と男の世界を女共に蹂躙されてるけどヤロウ共が操船する戦闘艦艇の姿が恋しくなる。艦娘もいいけど鋼鉄の艦艇もどうかよろしく。

投稿 : 2015/05/23
閲覧 : 306
サンキュー:

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