北山アキ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
田舎の子どもの夏休み(理想空間)
原作未読
全話観ての感想
日常系に見せかけながら、実にファンタジーである。
{netabare}
人物的には、
主人公はイケメンで、才能があり、浮世離れした職業で食えていて、愉快な仲間たちがいて、愛されていて、守られている多幸者。
でもそれが嫌味にならないように、残念な性格を与えられている。
他のキャラも嫌味がなく、(野崎くん的な)変人大集合的な笑いに走らないので気持ち良い。
物語的には、
基本的には主人公を身体の大きな子どもとして設定し、田舎の子どもの夏休みを描いている。
そこに、たまに子どもを身体の小さな大人、あるいは大人の代理人として振る舞わせたり、子どもの目からチラ見た生活感を差し込んだりすることで、
子どもの世界に留まりつつも、生臭くならない程度に日常をアピールすることに成功している。
思想的?には、
田舎幻想、子ども幻想、アーティスト幻想を背景として上手く組み合わせ、
笑いと人情を主軸に据えることで、
時間の止まったかのような、
金と欲得と弱肉強食とカルマその他から解放されたユートピアを実現している。
{/netabare}
この優しい世界の甘い時間に素直に浸れれば、とても良い話です。
ぼくは好きです。