zu さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「大事な物が作れない」
あらすじ:恋、友情、仲間、家族……
青春のすべてが詰まった“忘れられない時間"を大切に描く物語。
高校1年の終わり、双葉は運命の再会を果たす。
その相手は、中学時代に転校し、忽然と姿を消してしまっていた初恋の人・田中洸。
その洸が、3年ぶりに双葉の前に現れた。
しかし、洸の苗字は「馬渕」に変わり、性格もクールな別人になっていた……。
徐々に明らかになっていく、空白の3年間。
二人の恋は、再び動き出す。(公式サイトより)
あらすじにもあるように序盤は、少女漫画の恋愛ものって感じだったんですが、後半は恋愛というより、生き方を探す物語だったように感じました。
他人からどう思われどう見られているのかを気にするか、
それとも自分が言いたいこと、やりたい事をはっきりとしてやるのか、どちらも必要な事だと思いますが、そのバランスを取るのが思春期では難しかいのではないのかと。
自分のやりたいことをやってるほうがカッコよく見えるかもしれないけど、実際には後にならないと、結果的にはわからない事ですよねぇ!
後になって自分がやってきた事を思い出すと恥ずかしいって感じる事も多いと思うのですがw
終盤になって、洸の過去がメインになってきますが、
洸のトラウマって、いい子を演じてる人がなりやすい典型なんじゃないのかな?
中学生の多感な時期に母親が入院してその看病。
しかも「余命宣告」までされて…
教員1年目と言っていた大人の田中先生でさえ、
「痩せていく母親を見るのは辛かった」「病室に入るのが、怖かった」
と話していたし、洸自身も母親に楽をさせてあげたいという思いで、頑張っていたのにその目標を失ってしまった事は、本当に辛いことだったと思う。
それが、「大事な物とか作っちゃうと色々しんどくなるから」と「その目的しか見えなくなる位必死だった。でも、間違えたんだ。もっと大事なことがあったのに」という思いにつながるんですね。
双葉も中学時代の経験から、女子力を下げるなど、
見失っていた自分を、洸との再会をきっかけに取り戻してたよね。
人間関係も、実際にはもっとドロドロしたものかもしれないけれど、そのへんをさらっと描いたのは効果的だったのかも!
最終的には、双葉の猪突猛進的なアタックで、洸のトラウマの扉が少し壊された感じで、洸の雰囲気もちょっと明るくなったところが良かったなぁw
OPの最後の方の「聞かせて~」の耳打ちのところの描写がとても好きでした(//∇//)
ここからちょっと話が重くなりますが、この作品と今の自分を絡めて書いていきます。
「大事な物とか作っちゃうと色々しんどくなるから」のセリフと洸の母親が入院していた時の話が、グサッときてしまいました。
自分は健康診断で引っかかり、再検査で肺気腫の為、右の肺が殆ど機能して無くて、左の肺の上部にも肺気腫ができていて、それ程長生き(肺気腫の生存率は、発症してから5年後で40~50%位みたい)が出来る状態ではないと病院で診断された1ヶ月後位に母親が骨折で入院しました。
そのお見舞いに行った時に再検査の結果を聞かれ、慢性気管支炎だから心配ないと言ったんですが、洸の母親が、雰囲気で自分の状態が分かった様に自分の母親も俺の状態が良くない事を悟られてしまったんです。
洸が病室から出てきて「大丈夫、ちゃんといつもどうりの俺だった」と思ったのと同じ様に自分も思っていたんですが…
その日の夜「いつもの雰囲気とちょっと違ったし、親より先に死ぬほど、親不孝は無いから…」とのメールが来て、バレちゃったのかやっぱり母親って凄いなとの思いと、アニメの脚本と同じような事を、まさか自分が体験することになるとはおもってもいなかったなぁ!
弟と妹が医療関係の仕事をしてるので、そっちに聞いたのかもしれないけどね。
洸の「無くす事の怖さ」と「自分の残して行く事の怖さ」って方向性が真逆なんだけど、
「大事な物が作れない」というところが、妙に今の自分の思いとリンクしてグサッときてしまったもので…
アニメの感想でこんな事を書くのもどうかと思いましたが、
あにこれって数少ない大事な場所なので、少しでも悪あがきをしてみようと思いこんな事を書いてしまいました…ごめんなさい。
再検査から、4年ちょっとがたったけど、進行性の病気なので完治は望めないので、薬で進行を遅らせるしかないのだけれど、3年後もここでレビューを書いていられたらいいんだけどなぁ!
すぐに退場してしまう訳ではないと思うので、もうしばらくお付き合いお願いしますね(^^;)