退会済のユーザー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
愛は永遠と信じていた
虫プロダクション制作。
1973年公開。
性的描写も抽象的にしてありますが、見てればわかるし、
ほぼ全裸な時もあるので、誰もいない時にこっそり見て下さい。
あらすじは中世時代、ジャンとジャンヌの結婚の際に領主に貢ぎ物を献上する。
しかし、貧しい農夫のジャンは領主の気に入る貢ぎ物を捧げる事が出来なかった。
その代償にジャンヌの処女は奪われ、陵辱され
ジャンヌは悪魔と契約してしまう…
前衛的かつ芸術性が高い。文芸的耽美的エロ。
あまり見られない手法を用いられ、実験的に創られたもの。
紙に書いた水彩画を使用したり、セル画少なめ。
台詞の録音はプレスコ。静止画も多様され、油彩画を描きながら一コマずつ撮影という
とても手の込んだアートフィルムである。
ちなみに、手塚先生は関与していないww
海外の昔の絵本の挿絵を彷彿させる色使いかと思いきや
サイケでエキセントリックな色使い。この年代ではきっと早すぎた。
クリエーター志望の方なら一度は見ておこうかっていう作品。
ジャンヌが妖艶でたまらない雰囲気を醸し出してる。
美しいのよ。作画は古いけど妖艶で美しいのよ。
結婚って幸せのまっただ中にいたはずなのに、どん底にたたき落とされる。
それが許せない旦那。中々、生々しいというかエグイ。
女の悲しみがぎゅっと凝縮されてる感じかな。
陵辱された後、体を洗うのだけれど、どんなに洗っても
その汚れは落ちなくてきっと好きな男に抱かれるのも躊躇うだろう。
それでもジャンヌは悪魔に願う。苦しんでるジャンを助けて下さいって。
最初の始まりが歌からだったので??だったのだけれど
説明も歌で表現されてて、BGMも中々。
こんな作品は今創れって言われてもきっと無理だねw
ペラドンナって花は美しい淑女という意味で
綺麗な花には刺があるさながらの猛毒の花。
魔女の草というので有名だったみたいです。
花言葉は沈黙。
だまってやっちまったんですね…色々と…
なんだか救いのないような話なんですが
ラストに魔女という事でジャンヌが火あぶりにされてしまいます。
そのとき、初めてジャンが旦那?らしくかばって殺されました。
ジャンヌは何もいらないと言ってましたが
最後に旦那の愛を感じて死ぬ事が出来て嬉しかったんじゃないでしょうか。
結婚したのに愛されない、拒絶され、捨てられ
それでもジャンを愛してた。
そんな見方をしていたら切なくなってしまいました。
男も女もわかっていても感情だけでは割り切れない
この作品、もっと評価されてもいいと思うのですけどね。
追記
{netabare}
高校の時、シド&ナンシーが絡みあってkissしてる絵と
この作中に出てくるようなまぐあいを画用紙全面に描いて
これを描いたのは誰だと皆の前でさらし者にされ
説教くらいました。
この映画を見て思い出したのはそれぐらいです。
{/netabare}