青陽 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
この日 私は思い出した 巨人の恐怖を…
放送されて嬉しいよ?
前に連載誌でこの話読んでかなり衝撃的だったし。
再び進撃の巨人をTVで観れたし。
…だけど
よく17時台に放送許可降りたな!
大人が観ても恐ろしいのに、子どもがうっかり観ちゃったら
ハガレンのあの回並にトラウマになるだろコレ!!
ばらかもんや野崎くん、ちはやふるが深夜でこれが夕方放送って…事情があるのは承知だけど すごい国だよね、日本。
以下はネタバレ感想につき未視聴の方はクリック非推奨。
{netabare}
すでに懐かしいと感じてしまうOPを観ながら歌ってテンション上がったけど
リヴァイ班のメンバーが登場して、たまらなく切ない気持ちになった。
ユミルの民。
ユミル様
あれ…?ユミルってクリスタの友だちの、アニメではあまり活躍しなかった女と同じ名前だよな。
えっ、彼女は後に重要な人物になるのか?…というかもう原作では描かれているのだろうか?
他の人の感想読みたかったけど、ネタバレ怖いから辞めとこ。進撃の巨人レビューは読みたいけど、それが怖くて読めないんだよなあ。
新たな謎、なにより
言語を用いる巨人の存在という衝撃的な内容だったが、それ以上に印象的だったのは
イルゼのメンタルの強さ。
あんなサファリパークに裸で投げ出されるより恐ろしい状況になっても、発狂したりせず、自分のできることを最大限にやろうとする。
巨人に喰われる寸前になって
死の恐怖に震えながらも、後に解読できるほど綺麗な文章を書ける兵士がいったいどれだけ居るだろうか?
精神的に脆いアニメキャラが豆腐メンタルと揶揄されることがある。しかし、彼女の場合は鋼メンタル…いや、もっと上の……そう!
カッチン鋼メンタルと表現するのが相応しいだろう。
それでも、殺される寸前の彼女のモノローグと表情は観ているのが辛く、涙が滲んだ。
しかし、彼女の遭遇した成果が後に発見され、その死は人類のために役立つ名誉あるものとなった。
よかった、無駄死にではなかった…!
やはり、すごい作品だ。30分にも満たない時間でその残酷な世界が描かれており、その壮絶さに涙が流れたのは当然のことだろう。
もうひとつ心に残ったのはハンジ。
ハンジはとにかくクレイジーな印象が強いが、それは全て人類のための研究心からくるもの。
解読が終わった後、自らイルゼの遺品を持って彼女の両親に会いに行ったのは胸を打たれた。
いつのものかは忘れたが、国語の教科書に
太平洋戦争終戦後の日本
訪ねてきた兵士の家族に、その人物が戦死したかどうか伝える仕事をする男の物語が載っていたのを思い出した。
身体の弱った祖父母に頼まれて一人で父の生死を確認にきた幼い少女や、息子の生存を確認しにきた立派な身なりの男などが登場した…はず。
主人公はどちらにも悲しい事実を告げなければならなかった……。
報告を聞いて
少女は懸命に耐えようとし
男性は顔色を変えずに部屋を出ていった後、階段の下の踊り場の陰になる場所で顔を帽子で隠し 声を押し殺して泣いていた…。
私はこの話を読んだだけでも、とても辛い気持ちになった。
しかし当事者である家族や、訃報を告げなければならなかった主人公はもっと辛かっただろう。
部下に任せることもできたのにハンジは誰にも言わず、自分自身で報告に行った。
私はこの特別編でハンジが一気に好きになった!
その後ハンジを尾行していたオルオとの話も印象的で好感度が上がった。
言語を用いる巨人を殺す結果に導いてしまったことを悔やみ、自分が死ねばよかった…自分の命くらい安いものだと言うオルオに対して
「あの時は自分が悪かった。危うくお前を殺してしまうところだった」
と素直に謝り、続けて
「自分の命が安いなんて言うな」と諭す。そうだよね、いくら人類のためとはいえ、目の前の仲間の命が大事だよ。
仙人のレビューでも触れられていたが、進撃の巨人では人の命がいとも簡単に失われていく。
しかし、それは命が安く扱われているわけではなく
命はこうも儚く、容易く消えてしまうということを描き、戦いの壮絶さを示しているのだ。
死んでいった名も知らぬ兵士たち…その裏で犠牲者の何十倍という数の人が悲しみにくれているわけで…。
そういえばハリー・ポッターの最終巻でも仲間たちがどんどん死んでいった、大好きだったキャラも死んでしまったときは読むのやめようかと思ったくらいに。
読み終わった後、あいつらは殺さなくてよかっただろ…と思ったりもしたが、戦争になって仲間や大切な人が誰も死なないなんてあり得ないってことだよね…。
創作ものでは 話を盛り上げるためにキャラを殺すパターンもあるが、これらの作品はそれだけではないと思う。
命は簡単に失われてしまう、だけど、だからこそ 尊く大切にしなければならないのだ。
{/netabare}