ろき夫 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
想い出はいつだって!
90年代前半のクレしんブーム時、小学生してたあの頃。
しんちゃんの声、ゾウさんをはじめ、良くない行為をバカ丸出しでひたすら真似した。
やり過ぎて周囲にドン引きされつつも、それで仲良くなった友達もいたりなんかしてw
くだらない些細なことが、今となってはかけがえのない大事な古き良き想い出になっている。
他人に自慢できるような人生歩んできてないけど、自慢したくなるような想い出でいっぱいだ。
振り返ってばかりもいられないけど、今まで走り続けてきた人生ぶんのご褒美のようなものなのだろう。
劇中の、ひろしの回想シーンはそんな輝きに満ちていて思わず涙がこぼれてしまう。
懐古へのアンチテーゼ、という解釈も当然のごとくあると思うけれど、ひろしの回想を含め、この作品に漂う雰囲気は単純にそうとも言い切れないものがある。過去の匂いも良きと認めつつ、前に踏み出す勇気。そんなごく自然で、かけがえのない力強さを感じる。否定じゃなくて、認めたうえで強くなれるような。
この映画も公開から早十数年。作品自体が懐かしさの一部になりつつある。
本作を見て「良いなぁ」と感じる思いが、ノスタルジーから来るものなのか作品の純粋な良さから来るものなのかよく分からないけど、多分両方が混ざり合っているのだろう。でも、映画とか本とか、作品というもの全般に言えることだけど、その感想の抱き方は常に更新されている。だから、新たな発見や自分自身の価値観の変化そのものに対する興味深さだったりとかも加えないといけないのかな。こういう色んな想いが重なっている作品って、いつまでたっても面白いし色褪せない。まさしく一生の宝物にすべきものだ。
今となっては年齢がひろしに近づいてきて、ひろしに共感できる部分も増えてきたように思う。
まだまだ年齢的にも経験的にもひろしの方が先輩なんだけど、あんな感じに程良くなりたいし、等身大で着飾らない家庭は自分の中でいつの間にか理想形になってしまっている。昔は平凡だっ!ってバカにしてたのにねw でも、皮肉めいたギャグだったり、コミカルでテンポ良いアクションが好きなところは昔から変わらない。こうして考えると、自分の今までって、クレヨンしんちゃんから多分に影響を受けている気がしてちょっと感慨深い。
秋に漂う郷愁の念といいますか・・・
そんなものにあてられ、このあいだ、また本作を見てみた。何回目かはもうカウントしていない。
夜、値引きされた肉を買いに出かける予定が、すっかり忘れて見るのについ夢中になってしまった。
小道具の凝りようがやっぱり面白い。たとえば、万博の制御室にあるコンピュータはいかにも昔のSF映画的近未来感で、その中にちゃっかり黒電話が置かれていたりなんかするところが、当時の想像が行き届かなかった部分にあるレトロさを彷彿とさせ、細かいシャレを感じることが出来て好きだ。
オトナたちの幼児退行して好き勝手している姿はわざと過剰演出にしてるとはいえ、なんだかゾッとする光景。自分の愛部屋を見てるとグサッとくる(苦笑) やっぱり趣味に没頭し過ぎる大人の姿って、子供目線で見ると異様なんでしょうか・・・。将来、家庭を築くときは身の振り方を考えようw
そんな反省もありつつ、20世紀博みたいなテーマパークの実現を切に願っています。
特撮ごっこ、恥ずかしながらすんごい興味あるんですよw