STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
1期の延長として、2期の序章として
原作は未読。
これまでは主人公設定でありながら影が薄かった笹原 完士が会長になったことで、ようやく
本当の主人公らしくなりだしたのが印象的。と言っても、本格的に動き出すのは今後といった
感じだったけど。
そして、新メンバーの荻上 千佳の登場。これまでのげんしけんメンバーが比較的温厚な
性格の人間の中、ややトゲのある態度が印象的。
1期において、序盤のげんしけんは男ばかりであったが、中盤より大野 加奈子と春日部 咲が
加入。ただ春日部は非オタクで、実質女オタクは大野で一人。
ここに荻上が入ってきたわけだが、同じ漫画やアニメ好きでもそれを性的なものとして
扱えるかどうかで、荻上と大野でスタンスが異なるところが面白い。結局、荻上も根は腐女子と
いうオチだったみたいだけど。
もう一つ印象的だったのは春日部と斑目 晴信の関係。
当初は一番対立が多かった二人だが、ここに来てなんとも言えない二人だけの空気感が
感じられるのが面白い。
高坂 真琴という彼氏がいることもあって表面上には出さないが、斑目が春日部に特別な
感情を持っていることが明らかになってきた。これは斑目自体が自覚しているかどうかは
判らないけど。
これは単なる恋愛感情というだけでなく、オタクと非オタクの間に明確な線を引く斑目に
とって、自分を偽ることなく交流のできる非オタクという春日部は自分と非オタクを結ぶ窓口の
ような存在にもなっているようで、更に一般人に引け目を感じている斑目にとって一種の憧憬の
ような感情もあるように思える。
一方の春日部にとっても、他のメンバーが「自分はオタクだから」と自ら壁を作ってしまう
中、自分の発言に耳を傾けて、多少なりとも歩み寄ろうする斑目は他のメンバーとは違う感情を
持っているように見えた。それは恋愛感情ではないのだろうけど。
本格的な変化はこれからといった感じで、2期への期待を感じさせる一品だった。