青陽 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ホラー成分をプラスして100倍胸糞悪くした猿かに合戦
これは今まで観てきたアニメの中でもかなり鬱鬱とした気持ちになる。蟲師の「枕小路」や、ハガレンの「娘キメラ化」が毎回続く感じ(これらほどダメージは大きくないが)
能登さんがハマり役だったから視聴できたけどストーリーの流れに慣れるまでキツいものがある。
しかし、生涯で一度しか聞けない(怨まれなければ聞かずに終わる)地獄少女の「いっぺん死んでみる?」という台詞を何度も聴けてその度にゾクゾクできたのは視聴者の役得だったといえる。
流れとして
最終的には閻魔あいが標的を地獄に流すわけだが、それはつまり
地獄に流されても仕方ないと視聴者が思えるような
ゲロ以下の臭いがぷんぷんする畜生が毎回登場するということ。だから物語前半はキツイ…ガチでSAN値ピンチになる。ほとんどの回がキツイけど、中でも初期の3話:ドカベンが死んじゃって友だちが罪をなすりつけられる話と4話:ペットを見殺しにされる話は観ていて辛かった。
なにより復讐がテーマなので
勧善懲悪から勧善の部分が抜けているようで、視聴後もすっきりしない。
依頼主が生命の危機に瀕して選択の余地が無い場合は仕方ないけど、呪いの力に頼らずとも頭を捻れば解決可能なケースもあったでしょう。相手の暴言を録音するとか。でも、そんなこと考えれないくらい追い詰められてたんだろうな
そう考えると余計やるせない
特にモヤモヤしたのが6話の斎藤千和さん演じる女の子。彼女が刻印を受けるのが理不尽で…それまでの話に比べて依頼主本人が受けている被害が少ないのが気になった。まあ彼女も被害を受けているし(餃子の熱い風評被害)、お母さんがあんな目にあったら許せないだろうけど、家族のための行動で娘が地獄に落ちる運命になったと知ったら両親はどう思うだろう……そんなの絶対嫌だって。本当なら母親が恨みを晴らして地獄行になるべきところなのにね。若者の間でしか噂になってないから仕方ないけど。
今の時代なら親の年代でもスマホ使っていろいろ情報入手して地獄通信にたどり着けるだろうなあ。
ってか地獄アプリになってそう。
強い恨みを持った人だけが24:00にインストールできる、みたいな
まあ、そんな中で救いだったのが5話。もちろん他の回に負けずえげつない話だったが、突っ込みどころがあって笑いにつながったのがよかった。
なんだよ、あの探偵!絶対探偵じゃないだろ。拳銃所持して人殺し請け負う探偵なんて居ねえよ!ってかスキンヘッドグラサンの時点で目立ちすぎだろ!!もっと存在感薄いおっさんじゃないと尾行も上手くいかないだろ!
…ありがとう、あんたのおかげで胸糞悪さが少し薄れたよ
あと、地獄に流される前のおしおきターンも基本的に滑稽で笑える
後半は基本パターンを守りつつも、恨みを抱いてた依頼側が別の人間から恨まれて地獄に流されるなど物語の流れが応用的に変化し、また新たな登場人物として地獄少女の謎を追うフリーライター柴田が出てきたりでストーリー構成としてわりかし飽きは無かった。
以下、それぞれの回の感想。 {netabare}
10話なんてとうとうハッピーエンドになるかと思ってワクワクしちゃったよ、そんなわけないのにね。
和解してハグしあった手の先に藁人形が見えたとき、そんな甘い期待は消えた
12話も平和ルートに向かうかと思いきや、現実のほうが辛いから地獄に送ってくれというあまりにも哀しい結末。教師の現実はこんなものなのか…と思わせるリアルさがあった。学生時代過ごしてきたら教師になりたいとは思わないなあ、生徒が教師のことどう思ってるかずっと見てきたわけだし。
にしても、教師を辞めるとかじゃなくて地獄に行きたいって…死を現世からの救いと考えるならまだしも、地獄が救いなわけないだろうに。人は本当に追いつめられるとマトモな判断ができなくなるのだろうか?と思ったけど、あの2人は廃墟を愛でる嗜好があったから退廃思想を持っていたのかもしれない。合意地獄送りという新たなパターンで印象的な回だった。
しかしそれより更に印象に残った13話、閻魔あいの秘密に迫る回。
昔は煉獄少女と呼ばれていた。
通信システムもレトロである。
江戸時代、下手したら安土桃山の時代には存在したかもしれない…だと!?
柴田に伝えるために物語を書いた…?けっきょく謎は解明されないまま、むしろ増えたんじゃ
それほど昔の時代になると厠の隅に連絡先が見えるとかかな?
また、誰もが気になっていたであろう地獄送りを依頼した人間の最期が描かれた。
死ぬのはまだまだ先だと思っている今までの若い刻印者と違う。死が近づくにつれ、地獄行を強く意識するようになり、新たな悩みに苛まれる。
何をしても逃れられない運命、私たちはその苦しみは決して理解できない。
福本画伯が見出した救いはもう一度あの美しい少女に会えるということ。地獄少女に亡くした妻を重ねていたのかもしれない。
柴田は地獄少女が行方不明者を続出させている根元悪として見ているが、当事者たちからしたら彼女は救いのダークヒーローといったところなのだろう。
この先ただ鬱鬱ストーリーなだけでなく、地獄通信の根幹に迫るのか。むしろそれだけセレクションしてほしい。コナンでいうとこの黒の組織絡みの事件だけ集めたコミックスみたいな感じで
14話
今までのように簡単に語れない善悪
地獄に送られるべき罪の重さは
町長の息子≧暴力団>町長
といった感じか。あの親娘も被害者で加害者だからここに入れてもいいかもしれない。娘を進学させるためとはいえ、ゆすって手に入れた汚れた金じゃ嫌だろ…
また娘も娘で
町長の息子の言動が最後の引鉄になったとはいえ、父にできることはこれしかないとか言い訳してけっきょくは自分の気を晴らすために全てめちゃくちゃにしてしまって…。やっぱ追い詰められて正常な判断できなくなるんだろうな。思慮に欠けた行動が目立つ。
と、善悪について考えさせられて
この先はそういう路線になるのかな?と思わせといて
その後またまたドン引きするような絶対悪ばかり出てくるし…なんなんだよ!
強欲くじらおばさんの回とか
柴田のせいで事態悪化してんじゃん!どのみち先生が異変に気づいたんだから居る必要無かったじゃん!正義漢気どりだかなんだか知らんけどこいつがだんだん鬱陶しく感じてきた。
ネガと引き換えに芸能人から金むしりとってた奴がなんで正義感に燃えてんだよ。
にしても
14話みたいな回の後だと、こういったどうしようもない畜生を成敗するだけの話がチープに感じてしまう。
サナトリウムの人形の回はホラー要素が強くて良かったんだけどね
22話にして柴田の過去
こいつマジで自分勝手だな…
特ネタが入ったからって結婚式を途中で抜けるとかいう信じられない行動を見せて、その後も仕事人間で妻ほったらかし。遂には浮気される始末。傷ついただのなんだの仕事を盾にひたすら被害者づら。ほんと何なんだよ!
まあ浮気する前に話し合えなかった妻もアレだけど、やり直したいって言う彼女に対し憎しみ全開で、二度と顔を見せるな!と追い払う。その直後、妻は交通事故に会い帰らぬ人に…
柴田の憎しみは行き場を無くし胸にぽっかり穴が空いたような虚しさが残った。
そんな経験から復讐など何も生まないからダメだって考えに至ったみたい…だけど
こんな回想じゃ納得も共感もできない。むしろ余計あいつへの印象が悪くなったくらい!
いや、ここまで来ると逆にすごいよ。
23話
善良な人が逆恨みで地獄に送られるパターンきた!
誰からも好かれる看護師。近所の人、患者、同僚、誰に聞いても最高評価!
若くて美人なのに、仕事で時間が取れないことを考慮して恋人も作らないという真面目っぷり。見習えよ柴田!ほんと見習えよ柴田!!大事なことなので二回言いました。22話の後でこの会話持ってくるって完全に柴田disでしょう。
マジ天使と呼ぶにふさわしい彼女がなぜ地獄に送られてしまったのか…
依頼主はラリってた?ぽい変な男。医療ミスだと彼女を怒ってたおっさんはミスリードだったのか。逆恨みですら無く、真相は謎とか後味悪すぎ…
地獄少女に選択権が無いのも辛いところ。理不尽な平等。いつもの地獄少女の台詞も淡々とした調子ではなく、迷いが感じられた。能登さんの演技の成せる技である。
そしてそろそろ地獄少女の核心に迫る回がきそう!!
地獄少年とかすげーチープな話が続いてたけど、ラストに向けて盛り上がるか!?
24話
能登さんに童謡唄わせちゃダメだよ!!ゾクゾクしちゃう
EDの曲も怖いけど…好き
村の幸福の為に人身御供となった少女が後の閻魔あい
七年起きに七歳の子を生贄にするって…それわかってるなら 自分の子が犠牲にならないようタイミングずらして子づくりしようよ……
神に捧げられたのになぜ地獄少女になったのか…?
幼馴染の千太郎がカギっぽい
埋められた→殺された
なぜ殺したのかは次回に持ち越しか
千太郎の子孫に当たるのが柴田の家系っぽい
はじめちゃんは殺されても構わないけどつぐみちゃんには生きてほしいね。
25話 地獄少女の生誕、いや死誕
能登さんのロリボイス…!!!!
観続けてよかった!
子づくり計画できなかった浅はかな両親の頼みで夜な夜な着替えや食料を持ってあいの元に通う千太郎。
その掟破りのせいで村は飢饉に。いや、実際は関係ないんだろうけど昔の人は信心深いからなあ。
掟破りの償いとして、あい一家は生き埋めにされる。いやいや山の神はそんなこと望んでないだろっ!自分たちが助かるためとはいえ恐ろしい…。
6年後ってことはあいは13歳で死んだのか…15くらいかと思ってた
この死に様は怨霊と化してもおかしくない。
今までの回で最も怖ろしかったかも
村を焼き尽くした罰として地獄少女の役割をこなしているのか
26話仮縫いの居場所
ついにあの男地獄送りにはならなかった。妻が死んでやっと省みたんだな。まさに後悔先に立たず。
まあ、そりゃ地獄少女の作戦は上手くいかないだろ。いくらなんでもつぐみはお父さんを地獄送りにはしないって。なんとか糸を解かせようと必死なあい、ホラーだけど可愛かった(笑)ここまで通して、地獄送りになっても構わないなあと思わせるように柴田が描かれてたからちょっと地獄少女応援しちゃったよ。
しかし親子2人のやり取りを見て、あいの中で過去にけじめはついたみたい。だけど、それで成仏できるわけでもなく。寺ぶっ壊したから地獄に戻されるわけでもなかった。
最終話のタイトルでありEDのタイトルでもある「かりぬい」
♪ここは仮縫い 私を縛る永遠
…この先もただただ地獄に送る案内人としての任務をこなすのだろう。
いつになったら赦されるのだろう。
2期はここからどんな話になっているのだろう?
また機会があったら続編を観てみよう…と思ってたらGyaoで続けて二籠もやるみたい。よし、観よう。能登AGAIN!!
{/netabare}