どらむろ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
侵略生命体に立ち向かう超人バトル系。ヴァルダ最高に可愛い!
無印キスダムのリメイク版。無印の方は未視聴なので判断出来ないが、本作Rは、かなり好きでした。
近未来、「ハーディアン」という侵略生命体によって人類滅亡の淵に追い込まれた世界で、主人公が「ネクロイバー」(超人的能力を持った人類の救世主)となって、ハーディアンと肉弾戦を繰り広げる!
ジャンルとしては「SF超人ヒーローアクション」物だろうか。
2000年代後半のアニメとしては希少なジャンルの力作であり、駄作との批判も多いものの、個人的には大好きなアニメです。
{netabare}『物語』
イマイチ不人気な作品だが、ジャンル自体が希少かつ個人的に好みです。
本作はどうやら「クトゥルフ神話」を題材にしているらしく、かなり中二的な謎アイテムや謎の展開に満ちている。
哀羽がクトゥルフ神話のアイテムで次第にパワーアップ、敵のハーディアンも強くなっていき、インフレバトルアニメに。
こういった全体の展開も、妙に中二心をくすぐられて、興味深かった。
ラノベ的な中二とも異質な、中二感満点な感じ。
哀羽は2000年代後半のアニメ主人公には珍しい、必殺技名を叫ぶタイプ。
小野大輔さんの絶叫の滑舌がイマイチな為か、発音が全然聴き取れんw
しかし結果的にそれが熱いバトルに繋がっていたので良し!
僕の美少女三人の力で技が強化される設定も、燃える&萌える♪
近未来の科学力(現在の我々と延長線上)持った人類軍が総力を挙げてハーディアンに立ち向かう展開が熱かったが…
開幕2話くらいで、いきなり人類軍が敗北!
異形生命体ハーディアンとベルゼブ(何でも喰い破る蝿の大群)によって早くも人類壊滅の危機か!?
戦友達が次々と散り、いきなりの絶望感がハンパ無い。
絶望的状況で、「死者の書」なる謎の遺物の影響で主人公・哀羽シュウが「ネクロダイバー」(要は超強い超人)になり、世界を放浪しながら生き別れた(視聴者や他登場人物から見ると死亡?)恋人の流姫那由乃(るきな・ゆの)を探し求めてハーディアンと激闘を繰り広げる!
開幕の惨劇から、次は…かつての戦友達との再開。
死んだと思っていた戦友は、哀羽同様に超人として復活していた。
よし!彼らと合流して力を合わせてハーディアン討伐する展開だな!?
と思いきや…
強大な力と引き換えに理性失う(というか、本性・心の闇?)が露出して化け物になってしまった戦友達と、哀しき戦いを繰り広げる事に。
ああ~~、折角の少年漫画的熱い展開かと思いきや、切ない。
ロキ辺りは、途中までは頼れる新戦力!だったのに、仲間同士で潰し合うのは、やり切れなかった。
一人一人のドラマが丁寧で、各々が抱えた想いやトラウマが回想で語られつつ、かつての友との死闘が繰り広げられていく…。
特に冬音(とおん)のエピソードは切なかった。
美少年で怪物と化してしまった冬音と、記憶喪失の少女・鈴音(りんね)、実は鈴音も冬音同様の化け物であり、それでも愛する鈴音を守るため、かつての戦友にして尊敬する先輩だった哀羽と戦い、散っていく。
冬のイメージも合わさり、哀しくも美しさも感じるエピソードだった。
途中で出逢った、ハーディアンと戦い続ける女性戦士イエラと、由乃の妹の乃亜(のあ)、そしてネクロダイバーの僕の三人の美少女ヴァルダ、ヴァイレ、ヴァラールを加えた何気にハーレムパーティーで哀羽の旅は続く。
…ハーレムパーティーの割に、視聴中は全然ハーレムっぽく感じ無かったw
何故だろう?
僕三人娘は当初は無機質なシステムの一環、イエラは男勝りで恋愛っ気ゼロ、乃亜は仄かに哀羽に惹かれる…?も、哀羽自身が全くブレる事無く「ユノオオオオオッ!」と姉一筋だからかw
破滅的な世界観で絶望的な戦い続けて行く割には意外と絶望して無い、前向きな雰囲気が良かった。
後半以降は何とか反撃しようと準備している人類の生き残りと共闘、潜水艦サラディン号とハーディアンの艦隊戦等、バトルも盛り上がっていく。
哀羽の恋のライバル、七生愁(ななお・しゅう)に由乃を寝取られそうになったり、恋敵同士の超人バトルになったり。
七生は他の仲間と違い、ちゃんと仲間になってくれてホッとした(今までの経緯からして、不幸な決別かと思ってたので)。
クトゥルフ的な終末観漂う中二超人パトルが白熱する一方、ストーリーのハイライトは、ネクロダイバーの僕(星の伝承者をサポートする人工知能的な無機質な美少女)の一人、ヴァルダの成長と、哀羽への想いだった。
最初は感情の無い人工知能だったヴァルダが、旅を続けるうちに少しずつ感情知っていく、そして最期は哀羽を救うために、命を犠牲にして哀羽の力となる…。
ヴァルダ(と他二人も)切ないです。そして、可愛い!
ベタだけど、こういうキャラと展開は涙を誘います。
人類とネクロダイバーとハーディアンの惑星の生物たちの存亡を賭けたバトルが白熱し、最終的には惑星の代表権を賭けたバトルっぽい展開に。
謎時空でのラスボス戦は正直どういう展開なのかよく分からんのだが、少年漫画的な熱さがあって訳分からないなりに燃えた。
ラストの経緯は正直私の理解力ではどういう事かサッパリ分からないのだが…
それでも、人類の希望や、頑張って生きて行こうとするイエラ達の活力は救いのあるラストで後味良し。
乃亜はいつか研究の果てに、哀羽に逢えると信じたくなるラストでした。
総じて、近年のアニメでは滅多に無いタイプの中二病超人バトル(ラノベ原作には割とある気もするが、それらの殆どより本格派)でした。
仲間との不毛なバトル展開と、ひたすら「ユノオオオオオッ!」と叫びながらの激闘連続でややワンパターンかな…と思わぬでも無い為、若干減点。
しかし、ラストに至るまで熱い展開で楽しめました。
近年の人気の主流からは外れるだろうけれど、大好きなアニメです。
『作画』
ハーディアンもメカも超人バトルも、クトゥルフ的な世界観も、かなり力の入った作画だった。
綺麗な良作画では無いかも知れないが、他のアニメには無い魅力を感じる。
作画の良さは決して綺麗さだけでは測れない。
非常に気に入っているので、あえて高評価。
『声優』
小野大輔さんの絶叫がイマイチ聴き取り辛かったような。
とはいえ豪華声優陣で安定していた感。
『音楽』
前期OP「時空を超えて」が滅茶苦茶カッコイイ!名主題歌です。
しかし…映像が完全にOP詐欺やないか!?
OPだけ見ると、仲間と共闘してハーディアン倒すんじゃないのかよ!?
後期OPは正直イマイチです。
BGMも申し分無し。
『キャラ』
恋人一筋の脳筋超人主人公が一途で大好きですw
メインヒロインの姉は影が薄く、むしろ妹の方がメインヒロイン…だけど、やはり影か薄い。
本作のメインヒロインは、ヴァルダちゃんじゃないかな?
最初は感情の無い機械人形→最終的には主人公への愛を知ってデレる!
最高に好みです!ヴァルダ可愛いよヴァルダ!
ヴァルダを持って高評価です。
何気に死亡フラグ立てまくりながらも最後までちゃっかり生き残ったイエラさんも好きですw
サラディン号艦長など、魅力的キャラの層はぶ厚い。
展開自体はワンパターンだったり謎展開多くても、キャラの魅力で最後まで視聴出来ました。{/netabare}