sherlock さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
6 vs. 6 ≠ 1 vs. 1
まず率直な感想から…
久しぶりにアニメを観て号泣してしまった…orz
特に後半!たぶん自分の境遇と重なる部分が多いからだと思う
バレーは他の団体競技に比べて誰かのミスが大きな失点につながりやすい…
だからと言って{netabare}一点の失点が必ずしも誰か一人を責められない{/netabare}ところにこのスポーツの良さがある…
自分の役割に対して他の誰も責められないからこそそれだけ自分の役割に責任が生まれ失敗は大きな罪悪感となる…
特にエースの看板を背負い続ける旭さんのプレッシャーがとても大きなものだというのがよく伝わってくる描写だったと思う
チームが強ければ強いほどそのプレッシャーは大きくなるのだ…(経験談)
旭さんのように僕らのエースもかなりネガティブで
自信をつけさせるようなトスを分配するのにどれほど苦労したことか…orz←今では良い思い出です!笑
そしてエースとセットで忘れてはならないのがリベロ…
リベロは攻撃ができないが実はチームの中で一番チームの勝利に対する熱い闘志をもっている(経験談)
{netabare}“ボールを自分のコートに一回も落とさなければ絶対に勝てる”{/netabare}
これこそがリベロの攻撃への考え方でそこをお互いに支えあっている関係がアタッカーであり特にエースなのである…
そしてこの作品で一番良かった感じたのはセッターを主人公として取り上げたこと…
実は僕も昔バレー部でセッターをしていた(詳しくは後ほどw)
恐らくバレーをやっていない人がバレーを見た後はレフトアタッカーの強烈なスパイクで点が入るシーンが印象的だろう
しかし本当はセッターが一番試合の流れを握っていると言っても過言ではない…
そこに焦点を当ててストーリーを展開していったのがこのアニメに惹きつけられたポイントだと僕は思う
セッターは個人の技術があっても一人では何もできない…
中学のときの影山のようなプレーが得点にダイレクトに影響してしまうのがセッターで
恐らく他のポジションに影山のような奴がいてもそれほど大きな影響はない
チームの強さがスパイカーの技術に大きく左右されるのに対し
セッターという目立たないポジションにこそチームの{netabare}考え方や雰囲気{/netabare}が現れている…
セッターというポジションは{netabare}相手を疑い仲間を信じる仕事…{/netabare}
常に勝ちにこだわり熱くなりつつ相手を裏切る冷静な判断を必要とする…
スパイカーやリベロは主に相手に集中しているのに対し
セッターは敵と同じぐらい見方も細かく観察し続けなければならないのだ…
そして練習のときだけじゃなく日々の生活の中で見えてくる仲間の性格を知っていないとできないことも多い(経験談)
また他のジャンプに掲載されるスポーツ漫画は
トルネードアロースカイウィングシュート(キャプテン○)や{netabare}←いや、絶対言い終わる前に蹴り終わってる~w{/netabare}
COOLドライブ(○ニスの王子様)、{netabare}←全くはずまないってそれ空気抜けてるよっっw{/netabare}
サイクロンパス(黒子のバ○ケ)など{netabare}←掃除機かっっ!w{/netabare}
非現実的な技を繰り出してしまうがハイキューは技よりも選手の心理描写に力を入れることで
大人でも昔を思い出して楽しむことができるのではないだろうか^^
あと、忘れられないのが菅原さんが再びベンチに戻るシーン…
「よし!勝てy…勝つぞ!」
同じポジションを争うライバルでも試合が始まれば仲間…
コートの中のプレッシャーを理解しているからこそ
そっと支えてくれている菅原さんの先輩としての姿に何度も泣きそうになった
~ここからはつまらない昔話なので読まなくて大丈夫です!!~
{netabare}実は僕らの学校のバレー部は昔かなり強く春高バレーで何度か優勝している
しかし僕がバレー部に入ったとき試合に出られる程人がいなくて廃部の危機だった
もちろん言うまでもないが僕らが入部する前、試合には他の部活から人を借り、戦績はほぼ0勝…
そして僕の代に8人入ったが一人を除いて皆初心者だった
さらに監督は僕らの代が卒業したら定年を迎え学校を辞めることになっていた
恐らく監督はこのときもう初心者ばかりの弱小チームに何も望んでいなかった…
入部当時は生徒が楽しくバレーできるよう本当に優しく怒ったことなど無かった…
恥ずかしい話だが最初は女子バレー部にも負けていた…
しかし、練習をしていくうちに少しずつ強くなっていった
今だから言えるが僕らの世代は皆背が割と高く(Avr.約178cmぐらいかな)、運動神経も悪くなかったため
アタックの最高打点やブロック、レシーブは先輩を抜くのにそこまで時間がかからなかった
トスに関して、普通はスパイカーのクセに合わせた十人十色のトスを上げるのだが
まだそれぞれのスパイクのフォームも固まっていないため
仲間の成長と共にトスの高さ・速さ・回転の度合い(耐空性)を変えていくのは至難の業だったが
少しずつ攻撃のパターンが増えていくことに自分たちの成長を感じられて嬉しかった!
そして僕の入部前、チーム唯一のセッターだった先輩(経験者)は
練習で一番怒られているんじゃないかというぐらいプレーにミスが多かった
また頭で考えすぎているせいか反応が非常に遅かった
ただ、凄く真面目で誰よりも練習に早く来て自主練もやっていた先輩と対立するのは嫌だと
実力は上でも臆病だった僕は先輩にアドバイスをするほど
チームの勝利のために何かしたいと積極的にはなれていなかった…←今は少し後悔してますw
結局僕は先輩がいる間は試合に一度も出してもらえなかった…
その理由は何となく頭の中では理解していたが正直悔しかった
そして先輩の高校最後の試合の日…
僕らの世代が2,3人コートに入っていたが試合は完全に相手のペース…
なぜなら攻撃を組み立てるセッターがワンパターンで先輩の所がレシーブの穴だったからだ…
でも僕は涙が溢れそうになった…
どうして世の中はこんなにも理不尽なのかと…
誰よりもバレーが好きで一生懸命な先輩にこんな仕打ちがあろうかと…
そして第一セットの後半…
先輩は明らかにトスの精度が悪くなった
監督もそれに気づいていて交代するのかなと思っていた
しかし僕は監督に「交代した方が良いですか?」とは聞けなかった…
監督はベンチで静かにチームの試合を見続けそして試合は大差で敗北した
そして試合後先輩たちは泣き、しばらくして落ち着いたときに
先輩は僕にこう言った…
「○○、俺は負けたときに泣くことができて本当に良かった。俺のわがままに付き合わせてごめんな…」
僕は先輩の 腫れた指 を見ると何も言えなかった…
この時僕は初めて“コートに立つ”ということの本当の意味を理解した…
その後は僕らの世代になり、僕は正セッターとして大会3位になったり春高の予選を通過したりして
高校からの初心者ばかりのチームで結構良い成績を残した方だと思うが
これも全て先輩の姿を見たから頑張れたのだと思う…
そして僕らの世代の最後の大会が終わって監督はこういった…
「定年前に昔の気持ちを思い出させてくれてありがとな。
お前たちが入ってきてくれて本当に嬉しかった。」
普段決して泣かない監督が泣くのを我慢してつまりながらそうつぶやいたのは今でも覚えているし
この先も決して忘れないだろう…{/netabare}
は~い、ということでほとんど自分の昔話になってしまいましたが…
このアニメは潔子さんの普段かけているピンクフレームの眼鏡姿に思わずときめk…じゃなくてww
ボールが相手のコートにいかに何度も落ちるかということに全力を注ぎ
人生において何事も跳ばなければチャンスは来ないということを改めて教えてくれるアニメなので
興味がある方はぜひ一度観てみてはいかがでしょうか?(^_-)
P.S.
{netabare}他の人の“恋のアタック”をつなぐトスは上手ですが…
僕が呼んでも一向にボールが来る気配はなくレシーブとアタックは専門外です!笑←皆さ~ん、ここ笑うとこですよ~w{/netabare}