CountZero さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
音源が発音を停止した後も音が響いて聞こえる…
…現象が「残響」。
とても面白かったです。
タイトルは直接的でストーリーを上手に象徴しています。
わたしとしては観終わってみて、タイトル通りちゃんと余韻が響いているのでなかなか気持ちのいい作品でした。
「名(タイトル)は体(ストーリー)を表す」という感じです。
スケールの大きな事件と少年少女の活躍という物語の構図は「東のエデン」を彷彿とさせるので、まずあの作品が好きな方は本作も結構楽しめると思います。
全11話という長さもちょうどいいし、適度なリアル感はシリアスなストーリーに適度な緊迫感を生じさせ、視聴者を飽きさせずに引きつけます。
まるでハリウッド映画のような派手な事件とアクションはフィクション感が強く、エンターテイメントとして正しい選択をしつつも、硬質なBGMと青みがかった色彩(キタノブルー的な)によって、古い邦画やフランス映画のように真夏の出来事でもどこか冷めた空気と刹那的で焦燥の中にある命のきらめきを繊細に描き出す事にも成功していて、雰囲気はとても映画的です。
「この世界に、引き金を引け」
「君に会えて、良かった」
わたしは、挑戦的なコピーと好みのキャラデザに引かれて観始めましたが、印象的なツエルブの台詞と行動に満足し、ナインの願いはしっかり伝わり、ハイヴのしたかった事にも納得して観終わりました。
もちろん突っ込みどころはあります(笑)
例えば、結局テロの自己ルールはあれで最後守られたの?とか、アメリカ介入の意味は一体なに?とか他にも挙げればたくさんです(笑)
でもね、やっぱりそこは適度なリアル感を重視したエンターテイメント作品なので、気にしない方が楽しめます。
そして何と言っても最終話の締めくくり方がとても秀逸なため、すべての小さな突っ込みどころはこのエンディングで帳消しになり、わたしにとってはこの一話でかなりのお気に入りになりました。
犯罪に青春を絡めたお話では良く見る展開でも、良かったです。
今期では個人的に上位に入るおすすめ作品です。
きめ細かに書き込まれた作画は一見の価値があります。
作品にぴったり合ったOPEDもナイスです。
劇映画が好きな方にもおすすめです。