三崎鳴 さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
真夏の空と海の青さに 眩しくて目を閉じても
P.A.WORKS制作オリジナルアニメーション作品。『true tears』の西村純二監督、『TARI TARI』で脚本を担当した佐藤梨香がシリーズ構成を務める。視聴前は「『TARI TARI』の人が書くなら無難な青春ものとして纏めてくるだろう」という期待があったが、見事に打ち砕かれた。無難どころか、そもそも何をしているのかが分からない。序盤は告白現場を他の女子に見られたり、不吉な未来が見える設定を絡ませて「ジュブナイルSF×少しドロドロした恋愛」的に仕上げてくると予想されたが、話が進むに連れて(というか内容は全く進行しないが)キャラの行動原理も言動の意味も不明瞭になってゆき、視聴者の頭に疑問符を植えつけたまま置いてけぼりにする。作画に関して、背景は相変わらず綺麗なのだが、新しいことをしようと思ったのか、止め絵の演出を利用しており、序盤は「クセがあるがこれはこれでアリか」と思っていたものだが、あまりに乱用しすぎて作画枚数の手抜きにしか見えない(止め絵をするならここぞというシーンでやるべきなのだが日常会話の一端で止められても目的が分からない)。話が徐々に動くかなと思いきや、結局は最終話まで何が起こってるかわからないまま、何か一段落突きましたみたいな終わり方をされてもこちらが困るばかりだ。いくらP.A.の作品が好きでもこればかりは擁護のしようがない衝撃の迷作であった。制作陣のやりたいことが1mmも伝わってこない作品というのも珍しい。