こたろう さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
夏の情景だけは見事
ファンタジーの入ったホームドラマ(?)です。
主人公(小学生)と、その兄、兄の元恋人を巻き込んだ、ある夏に起こった不思議な出来事をきっかけにした人間ドラマ。
三者三様の「後ろめたさ」が作品のテーマになっています。
まず、作画が凄くキレイです。
夏の季節を現す描写が丁寧にされていて、風景を見せる構図や光の使い方、SEの入れ方にも拘りが感じられます。
いや、ホント、イイ”画”を見せてくれる作品です。
主人公(小学生)も魅力的。
とにかく可愛らしいです。
特にOP・EDで意図的に、彼女の子供らしい無垢な屈託の無さを全面的に押しだしているのがニクイ。
物語本編との対比を狙っているのは明らかですが、毎回コレを見せられるからこそ彼女の置かれている立場の複雑さを思い出したように認識させられます。
こういう創り方、上手いと感心します。
お話の内容は、正直、ちょっと物足りないです。
設定はすごく面白いし、基本のストーリーも悪くないのですが、とにかく盛り上がりに欠けます。
好意的にとらえれば心の機微を描いているとも言えますが、登場人物が基本的にネガティブなので動きが少ないと、すぐに重たい雰囲気になるのが辛い。
心温まるイイ話をしていても、なーんか暗さが払拭されないというか・・・・夏の元気で明るいイメージと正反対の空気が漂ってます。
後半でストーリーとしては見せ場になるんですが、そこでもイマイチ地味。
もっとギャースカ騒いで、ドタバタしてもいいんじゃない?って場面でも、お行儀がいいんですよね、この子達。
なんとな~くでラストを迎えちゃいます。 うーん、盛り上がらないなぁ。
心理描写など丁寧で良く出来ているだけに、ドラマチックさに欠けるのが惜しいです。
ほんと、もう一歩で良作になりそうなのに勿体ない。
「夏」と、「風景」と、「可愛い小学生」を、見るにはイイ作品。
話の方はイマイチなんで、そこは期待せずにご視聴ください。