OZ さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ハナヤマタの魅力はOPに
原作の漫画は読んでいないが
『さくら荘のペットな彼女』で監督を務めた
いしづかあつこさんを監督に
『けいおん!』や『ガールズ&パンツァー』でシリーズ構成を担当した
吉田 玲子さんが構成・脚本との事で
期待を込めて観てみる事にした2014夏アニメ
■何時になったら踊るのか?■
内気な女の子が自分を変えたいと
一人の留学生に出会い
よさこいを通じて成長する青春部活作品『ハナヤマタ』
観る前は"ハナヤマタって何?"と
タイトルの意味が分からなかったが
ハナ・なる・ヤヤ・真智・多美
以上 各キャラクターの頭文字が由来である。
まず 目に付いたのは
白くもやがかかった様な淡い作画。
今作品の特徴であるが
パッと見はやや観辛い印象受ける。
それに伴いキャラの顔が
照れているというよりも
酔っぱらっているかの様な赤みなので
キャラデザを受け入れられるかが
最初の壁だろう。
次にメインキャラクターだが
留学生で金髪のハナ以外
後の4人は印象が薄く
物語に差し支えがない程度の個性である。
「このキャラじゃなきゃダメ」と
感じられないのは惜しい。
そして肝心のストーリーなのだけれど
全12話の内 9話を部員集めに当てており
本格的に話が動き出すのは10話目からと
テンポの悪さが目立ったかな。
部活物の定番である部員集めだが
1クール作品として流石に9話使うのは長く
中弛み感が生じてしまう。
せめて4~5話辺りで
区切りを付けてもらいたかったものだ。
溜めて溜めて最後に盛り上がる構成だとしても
最終回に行き着くまでの引きが弱いのは
今作品最大の弱点かもしれない。
■ハナヤマタの魅力はOPに■
さて 印象に残った場面と言えば
ラストの5人全員で踊る場面だろう。
最終回でようやくよさこいが観られるのだけれど
踊るまでの道のりはとにかく長い。
全く見られない訳ではないのだが
5人全員揃ってのよさこいは最後まで無く
途中の練習風景や他の踊りは
止め絵が用いられている。
「よさこい」をテーマに扱っている以上
踊りや動きそのものを期待してしまうが
静止画なので迫力は全く伝わってこない。
OPの踊りをラストに持ってくる演出は
見せ方として面白いのだが
合間に登場したキャラの
リアクションカットをちょこちょこ挟んでくるので
彼女達の通した踊りは結局見る事が出来ず
飛び飛びになってしまっていたのは非常に残念である。
ここまでまともな踊りのシーンが
OPを除いて一切無かった為
一度でもしっかりとしたよさこいを見せてもらいたかった。
反対に心を掴んだのは
OP「花ハ踊レヤいろはにほ」
「パーッとパーッと晴れやかに
咲かせましょう 花のように♪」
ご覧の歌詞にある通り
晴れやかな曲調に加え
メインキャラクター達の踊る姿は
今作品のストロングポイントであり
1番の見所だろう。
2014夏アニメの中では
文句無くお気に入りのOPとなった。
■あとがき■
締め方はさっぱりしていて
後味が良かったけれど
作品の持ってる魅力を
引き出しきれなかった印象だったな。
中盤以降から盛り上がってきそうな
感触はあったのだけれど
終盤の展開で急降下したよ。
よさこい部のメンバーが
9話使ってやっと揃った矢先に
ハナがアメリカに戻る展開は
「まだ引っ張るのか」って
正直 断念が頭をよぎったね。
感動のフィナーレに向けての演出とはいえ
もっとストレートな展開でも良かった気がするよ。
後日 原作の漫画を読んでみたが
静止画でもしなやかさが伝わる踊りにテンポ等
あらゆる面でアニメより完成されていた。
今作品の評価が低くなってしまったのは
まさにその部分で
"アニメならではの表現"が描ききれてなかった事なんだよね。
キャラの魅力は置いといて
上でも書いたのだけれど
よさこいが『ハナヤマタ』の武器である以上
アニメでしか伝えられない動きを見せて欲しかったな。
アニメであってアニメじゃない感覚だったので
極めて漫画映えする作品だと感じたよ。
満足度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ (3)