agraz19976 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エイプリルフールのことかと最初思いました。
中学生のピアニストの少年と、バイオリニストの少女の共鳴と成長をテーマに学園生活を謳歌していく学園青春アニメ。
まず、このアニメの特徴は心理描写を多用することです。キャラクター同士のやり取りをそのまま描くというよりは、語りをベースにしてそこにキャラクターの動きを加えるという手法をとっています。
それでいて視聴者に語りかける感じではなく、葛藤や心情吐露を自らに言い聞かせているような喋り方をします。
それにより、聞き飽きたという台詞回しも何回もしますし、ネガティブになってるシーンなんかはうざいと思ったりもします。
ただこの表現方法がこの作品の全てでもあります。
自分はピアノは素人なので、どういう気持ちでピアノを弾く?という質問に最初は疑問を覚えたのですが、気持ちが盛り上がってる時の演奏シーンなんかは凄く上手く見えて客席に座ってる人達みたいに拍手を送りたくなりました。
これが心理描写がなく、演奏だけしているシーンになると特に何も思わず見ていたかもしれません。つまりこの表現方法が1番このアニメを盛り上げる為の糧になっているということなんです。
前置きはこのくらいにして、自分はこの作品はかなり好きです。青春アニメは結構好き嫌いが分かれてしまうんですが、音楽と成長という要素がぴったりハマッていたと思います。
前半によく使用されていた、母親によるピアノへのトラウマ回想シーンですが、成長するための壁として重厚に描かれていて視聴者側も恐怖感を与えられるようなシリアスなシーンで能登真美子さんの迫真の演技にかなり掴まれました。
克服シーンも、公生とかをりの共同作業がきっかけとはなるんですが、最終的にはかをりを心の支えにしながら自らの手で克服するというシーンは凄く成長を感じるシーンとして印象深く残っています。
他のキャラクターの心の楔を解いていく回も丁寧に作られていて毎回涙を誘うような展開になるのもいいですね。
そんな中、ヒロインであるかをりの心理描写が最終回まで殆どなくどうなるのかと思いましたが、最終回にてここがタイトルでもある「四月は君の嘘」に繋がっているんだなと思うと鳥肌が立ちましたね。まぁ、渡とそこまで描写が無かったにせよ、公生とかをりの関係は見紛うことなくカップルの雰囲気だったので予想が付いていたのは内緒ですがw 一途な人がいいって渡ぇ・・・自業自得ですけどね(^m^ )
演奏シーンもどれも見応えがありました。汗が飛び交う時や本人の気持ちとマッチして演奏されてるとカッコよく見えますし、しっかり解説が入るとこんなにも見やすいんだなと少しクラシックに興味を持つほどでした。ピアニストの阪田知樹さん、お疲れ様です(・∀・)
恋愛模様も中学生らしい甘酸っぱくも、戸惑いながら進もうとする各々の姿には応援せずにはいられない!柏木さんの異様なほどの椿へのケツ叩きには少し引いてしまいましたがw いい友達ですよね。
渡のメイン回がなかったのが少し残念でしたね。かをりとの関係が1番の見所なだけに公生の周りとの関わりが少ないのも作りづらかった要因なのかな?サッカー部の話とか見たかったけどなー、キャラとしては1番好きでしたよ。
個人的に好きなのはやはり4話のデュエット回、あとは絵美の公生カムバック?回ですね。実際に演奏を途中で止めちゃうと気持ちが落ちるだけだと思いますが、復活の方法に熱い物を感じましたね!かなり荒療治でしたが・・
絵美回は1番鳥肌が立った回です。ああいうのを見ると、公生君って慕われてるんだなあと再認識させられますね。まるで、水を得た魚のように生き生きしてましたね。正直、絵美とくっ付いてほしかったなー。無理なのは分かってます・・・
正直1話ずつ語りたいぐらいなんですが、さすがに無理ですねwそれぐらい好きです。
心理描写を楽しむアニメなのは間違いないし、そういうのを苦痛と思う方にはオススメは出来ませんが、主人公や周りのキャラクターの生きがいにのめり込めるそんなアニメです。是非見てみては?