「ソードアート・オンライン(TVアニメ動画)」

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ネタバレ

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

アインクラッドは残念すぎた

前評判的には俺TUEEEEと聞いていて、期待してみてみれば全然俺TUEEEEじゃない。サチグループと共に罠に引っかかった時、全員を救えないのは百歩譲って仕方ないとして、誰一人も救えず自分の身しか守れない、PKの罠にはめられた時も、無様に這いつくばるだけで殺されかける、牛のボスには切り札の二刀流を出してギリギリ勝利、90階クラスのボス相手にはまるで敵わない、など、全然俺TUEEEじゃない。この程度の強さの主人公などゴロゴロいる。まあここまでの批判はあくまで自分が勝手に期待していたのと違っていただけなので、作品自体に罪はない。
作品としても問題なのは、命を懸けたデスゲームなのに、登場キャラの行動が悉く軽率なこと。たとえば、不自然に宝箱が1個だけある部屋に迂闊に入るとか、牛のボスの部屋をちょっと覗いてみようとか、何もない一本道に対して罠などを警戒せず駆け抜けようとするとか。正直この設定なら、疑心暗鬼になってプレイヤー同士で殺し合ってもおかしくないレベルのため、行動の軽率さはかなり目立った。展開も、やっていることの半分以上がハーレム構築で緊張感に欠け過ぎた。負けたら死ぬのに、しかも相当ピンチなのに、嫉妬されるという理由で二刀流を出し渋るなどの思考回路も理解不能。75階のボス戦は見たかったのにカット。極め付けに、麻痺状態で動くアスナ、アスナを殺されてすぐに諦め、一度死んだにもかかわらず謎復活から一撃で茅場を殺すキリトには呆然とした。別にマヒ状態で動くのも、謎復活も、一撃で殺すのも、見せ方次第では自分はOKだ。しかし、アインクラッドにおいては首を傾げざるを得ない。たとえば、愛の力だと言うなら、それでいい。キリトとアスナがラブラブなのも分かる。だが、ラブラブなだけだ。とてつもないほどの強固な絆は感じられない。アスナが殺された直後、キリトの戦意もかなり削がれていた。アスナが殺されても、その敵を取るために奮闘するとかならまだしも、簡単に諦めるようなやつが、意気消沈したまま謎復活して敵を倒すのは、熱ければご都合を認める自分でも、何も熱くない以上、さすがに認められない。倒し方も、たとえば、余力をすべて振り絞った必殺技だとか、完成されていたり名前がついているような必殺技でなくても、渾身の一撃とかだったらまだ分かる。だが、さくっと刺しただけで終了は呆気なさすぎる。そりゃ現実なら、どれだけボコボコにされたって、生きていればナイフの一刺し、拳銃の弾丸一発でも上手くやれば殺せるし、アインクラッドの仕様としても、剣を刺しっぱにすればライフが減るのは何もおかしくないだろう。だが、理屈の問題ではない。フィクションとしての盛り上がりがなさすぎる。個人的には、史上まれにみる酷いラストだった。
フェアリィダンスは(リーファの剣は借りたものの)ギルドのボスみたいなやつを単独で倒した時や、防衛システムを突破するみたいな話は、何が何でもアスナを諦めない気持ちが出ていて熱くて良かった。これをアインクラッドのラストでもやってほしかったものである。須郷というクズキャラを躊躇いなくボコボコにしたのもカタルシスはあった。
声優は、ヒロイン陣はそれなりだし、松岡は嫌いだが熱演は認めるしかない。茅場と須郷に山寺と子安の起用も豪華だった。
原作の絵師とアニメのキャラデザインが優秀なだけで、先述したとおり主人公の思考回路には理解不能な面や、ヒロインの死亡に戦意を喪失してしまった事などもあり好きになれない。ヒロインたちも、良く言えば落ち着いているが、悪く言うとキャラが薄い。可愛いは可愛いが、もっとキャラづけが濃い分、難点もあるが可愛さが際立つヒロインなど、他作品にごまんといる。
OPは後期OPが曲映像共に好きだった。BGMも割かし良かった。作画は文句なし。

投稿 : 2015/06/07
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サンキュー:

30

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