風呂は熱め さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
敗者の論理を追いかけるアニメ
最初は視聴者置き去りの導入と壊滅的に無能な主人公に愕然とするので、2・3・4・5は省略してもいいと思う。
全45話と長いが、主人公本人が活躍する話は少ないし、主人公自身の技能で活躍するシーンにいたってはほぼない。架空の世界を舞台に、異邦人、異形の者、貧しい人、裕福な人、商人、農民、学生、武人、偽善者、聖人、政治家、国王、神、さまざまな人物の「悲しみ」をただ描いているのみである。そして「悲しみ」をもたらした憎むべき相手とは誰か(=悲しみの正体とは何か)。それが作品の主題であろうかと思う。
したがって、脇役目線のお話ばかりで本筋は遅々として進まない。だがそれこそがこの作品のねらいなのだろう。特段面白くはないが、一見の価値あり。