アルカット さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
新時代のロボ作品となるか、過去に捉われ過ぎた作品となるか。
これまた分割2クール作品なので、鑑賞状況を「観終わった」とするのに耐え難い程の抵抗がありますが、こうでもしないとレビュー書けないなと思いましたので。
(酷評有ります。)
◆作品解説◆
Fate/Zeroや放浪息子のあおきえい監督と、虚淵玄がタッグを組み、A-1Pictures×TROYCA(あおきえい取締役の新会社)で製作するという事で話題を呼んだ王道のロボット作品。
Fate/Zeroが放送終了する間際ぐらいから企画が始まったそうだ。
◆感想◆
まず私は、変わり者かも知れませんが、今期大人気だった本作、「アルドノア・ゼロ」を好きになれませんでした。その理由としては、主人公のイナホ君に対して常に強い違和感を感じてきたからだったり、作中のロボットの性能や武器等に関して「んっ」となったからです。
一つ目に、その異常なまでの化学・科学に関する知識量について。学生の域を遥かに凌駕していて、もはや神々しいまでの活躍をしており、「魔法科高校の劣等生のお兄様と、そん色無いなこりゃ。」と思ってしまいました。
例を挙げると、{netabare}4話で敵に対してHE弾(炸裂弾)を当てようとするも、消滅し、それならとAP弾(徹甲弾)を当てようとするも、敵機体の直前で全てはじかれたのを見て「ライデンフロスト現象か」{/netabare}と顔色一つ変えずに解説してましたが、普通の学生でライデンフロスト現象を実践的に理解してる人なんているんでしょうか・・・。
専門家でも無い限り、せいぜい、「水に浸した手を高温の液体の中に入れても火傷しない」という程度にしか覚えてる人はいないような気がします。
また、{netabare}5話では敵機体との一騎打ちに際して、爆発でプラズマを跳ねのける"リアクティブアーマー"の発想までなら納得ですが、その後が問題で、乗っていた艦に対して「バラスト注水」を促して艦体を傾けさせた後に、敵機体ごと海に突っ込ませて、プラズマソードの膨大な熱エネルギーを持ってして、海水を急激に蒸発させ、その"水蒸気爆発"によって敵機体を破壊する{/netabare}という発想は学生にはとても無理だと思うのですけどね・・・。
昔放送していた「破天荒遊戯」では、若い主人公が小麦粉か何かを撒いて粉塵爆発で敵から逃げ切るシーンなら有りましたが、"爆発"に対して抱く規模は学生の想像の範囲内ならせいぜいその程度だと思うのですよね^^;
2つ目の気になる点は、明らかに昔、某アニメ作品でみた武器が多用されている事ですね。{netabare}"ビームサーベル"に良く似た何かや、"ロケットパンチ"に酷似したアレ等々・・・。{/netabare} 似たものを使うにしても、もう少し形を変えるなり何なりと誤魔化してほしかったw仮にも製作会社が全く違うわけですし^^;
まぁ、こんな事ばかり言ってると批判しぃに思われるかも知れませんが、褒めたい所ももちろん十分に有りました。
特に、3話での{netabare}ラジコンを飛ばす事で、無敵と思われていた敵機バリアの弱点を探し出す{/netabare} という発想と展開には、中々SF的に楽しめました。まぁ、これについても多少出来過ぎ感は有りましたが、ここは発想の勝利だと思われます。
更に、圧倒的なまでの作画力は圧巻でしたね。各カタフラクト等の機体や戦艦の動きが緻密で美麗に描かれており、映像美が感じられました。
作画のキレイな作品が好きで、ロボット作品も少し観てみたいという方は観てみると良いかも知れません。多分、私みたいなのは少数派でしょうから。
追記:12話・・・、1クール目の締めくくり方が華々しいというか何というか壮絶でしたね。
調べてみると、途中から脚本担当が虚淵玄から高山カツヒコ氏に脚本が変わってましたが、未来日記や半分の月がのぼる空、ストラトスフォーを担当されていた方ですね。きっと後半に向けて何か監督含めて作りたい何かが有るのでしょう。
この期待がそのまま反映される事を切に願っています。