オキシドール大魔神 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
複雑な問題を抱えた魔術師なり能力者なりを、主人公が真正面から叩いていく話
ラノベアニメは大抵改悪カットの嵐になるが、禁書1期はそれほど改悪カットの被害にはあっておらず、むしろ改良されている面もあり、ラノベのアニメ化としては、どちらかと言えば恵まれている方ではあった。ただ、細かいところでミスや演出の工夫不足、制限、逆に過剰な部分があり、神裂vsミーシャはかなりしょぼいなど、惜しいところも散見している。
インデックスが上条の名前を知らない時に「とうま」と呼んでしまったり、小萌のアパート戦ではたかだか数メートルを走り過ぎ、vsアウレオルスで、上条が右肩から先を失った後で、アウレオルスが攻撃を外した理由が、ステイルの蜃気楼のおかげもあった、という説明ができなかった事、鉄橋で御坂の電撃を食らっているのにダメージが大きいように見えない、一方通行戦でも流血がないため不自然、エンゼルフォール編での上条の父親に対する台詞はだいぶ省略、打ち止め編の説明不足、ぶん殴られたシェリーが柱にぶつかった際、柱にひびが入る、この辺が悪い点。
逆に、禁書目録争奪戦の上条の口上はほぼ収録、土御門を序盤から登場させることで、エンゼルフォール編での土御門登場のインパクトを強める、アウレオルス編を短くまとめる、エンゼルフォール編に至っては原作の矛盾を解消したうえ分かり易くする、23話での強制詠唱の演出と盛り上げの挿入歌など、良いところもある。
尺の都合があるので、上条の口上など時間を取るシーンを省略するのは仕方ないし、放送当時は流血に対して厳しかった時期だったと思うので、一方通行戦での流血がなかったのも仕方ないとは思う。ただ、もう少し作画に力を入れて、工夫でどうにかなったシーンをちゃんとして、神裂vsミーシャ戦は再現してほしかった。神裂vsミーシャは放送当時はもちろん、現在刊行されている分も含めてトップクラスに派手なバトルだったので、これが再現されていればもっと評価されていたと思う(あまりに派手すぎたので再現を諦めて適当にまとめた可能性もある)。
2つのOPは曲映像共に良く、2つのEDも曲は良い。BGMも良い。
作画もまあ悪くなかった。決して恵まれていたわけでもないが。
キャラは、主人公である上条はまっすぐ。ヒロインは、わがままだったりする奴がいれば、喧嘩っ早い奴もいて、性格的には古典的。見た目は可愛いのが多い。敵は大体こじらせている。だからこそ、レビュータイトルのような作品なわけなのだが。
声優は、当時だとおそらくそれほど豪華ではない。しかしながら、この作品で好きになった声優が多い。当時中学生の日高は、デビュー作で打ち止めという面倒くさい口調のキャラをよくぞ演じきったと思う。岡本の一方通行の「笑い」の演技には称賛しかない。阿部敦の熱演も良かった。