ラスコーリニコフ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
銀英とあにこれとアニメ業界について
あにこれに参加して1ヶ月時点で書いたレビューを書き直しました。
この作品のレビューを書くのが目標だった。(2013/11)
{netabare}
◆一つのアニメとして
色々な要素を一つ一つ見て、トータルして完成度が高いのは攻殻。
ただ、銀英はアニメ作品というの枠の外。それをあえてアニメ作品
として評価するとしたら・・、
物語:98.0 作画:3.5 声優:72.0 音楽:4.0 キャラ:86.0
こういった馬鹿げた事になってしまう。
名作アニメ達が「3階建て、エレベーター、室内プール、シアター
ルーム、防音設備完備、トイレは各階に5つ」とかそんな規模なのに、
「万里の長城みたいなのを作りたいんだけど・・、一応設計図はある
んだ」と、そして出来てしまった。
つまりアニメ作品単体と比較するのではなく、アニメ業界全てと対比
すべきよーなもの。
◆世間一般でのイメージ
検索 富野由悠季VS田中芳樹
検索 銀河英雄伝説対ガンダム全作品
方向性が違うので、比較するような事では無い気がする。
◆対象年齢
ある程度水準が高めの大人にしか多分本当の価値は理解できない。
けど、中学~高校の若いうちに見た方が、色々な意味で有益な作品。
10人中7~8人位が分かる程度の内容にはなっています。
◆若いうちに見る意味
キャプテン翼は日本だけではなく海外のサッカー選手にまで大きな
影響を与えた訳ですが、
検索 キャプテン翼をこよなく愛する海外のサッカー選手
検索 キャプテン翼に影響をうけた海外のサッカー選手
それは単に面白いサッカー漫画であるという事で、サッカーを始め
るきっかけや精神面、モチベーション部分に良い影響があった。
キャプテン翼を読んだ、あるいは視聴した
⇒ドライブシュートが打てるようになった
⇒それが実際のサッカーでも役に立った
という事では無い訳です。
最近話題の黒子君のミスディレクションにしても、バスケで使える
かと言えば、使えない、無理がある。
銀英も基本的にはそういった性質、作品を見ただけで具体的な何か
が向上するという事ではなく、あくまでエンターテイメント。
しかし、サッカー作品ならサッカーに、バスケ作品ならバスケに、
同じ分野に関わらない限りはほぼ役に立たない多くの作品と違って、
銀英は普通の人生を送る上でも色々な面で良い影響がある。
多くの事に興味が持てるようになる、知識が吸収しやすくなる。
学生のうちは国語(現代文、古典)、政治(政治経済)、哲学(倫理)
歴史(日本史、世界史)、軍事(戦略、戦術)、権力や宗教、戦争の
本質、世の中の仕組み、魅力的な話し方、文章の書き方等。
自分は理系で学生の頃は興味無い分野は嫌々勉強していましたが、
この作品をもっと早く見てれば色々楽しめたはず、知識が身に付くの
も早いかっただろうな・・と、今でも思います。
ニュースを見ていてもビジネス書籍を読んでいても銀英の内容は頻繁
に思い出す「下手糞な言い方してるけど、結局銀英の~じゃん」的な。
イメージ出来るシーンがあると、面倒な話もすぐに理解出来る。
「マンガで分かる~」シリーズの本をジャンル問わず数百冊まとめて
読むよーな、そういった効果があります。
小説(原作)になると序章がキツめなので、まずはアニメから見るの
をオススメします。
◆物語
話の完成度は異次元。三国志クラス。とても個人の脳内から出て来た
話だとは思えない。
星界の紋章、まおゆう(原作の方)、コードギアス、狼と香辛料、カイジ
他福本作品、医龍(漫画だけ)、C - The Money~省略、一部ガンダム
作品(seed destiny等)、攻殻、十二国記、MONSTER、ヨルムンガンド、
デスノート、プラテネス。
全部足して萌えや恋愛、異能の力を抜くと、銀英っぽい話が出来る
かもしれない。
◆キャラ
やはり三国志クラス。
キャラ数を1/10にしても、やはり5.0を付けてしまうと思う。
◆作画
ある程度は我慢してください。
物語、声優、キャラで5.0以上を付けれない為、その分を盛って5.0に
しておきます。
◆声優
桁が違う。作品が出来た時期が非常に良かった。
検索 銀河声優伝説
◆音楽
OPとEDは我慢してください。これも盛ります。
戦闘時はクラッシック使っているので、多分不満は無いはず。
◆名言
名言だらけと言われてる作品と比べ、桁が「2つ」違う。
だから現在でもよくパクられるし、あのアニメのこの名言のネタ元は
ここだったのか・・が結構あると思います。
この銀英の原作者の田中芳樹が、どこからそのネタ持って来たのかを
調べる作業が自分の中で今もなお続いており、その為に読んだ書物が
100~200冊どころではない。だからこそ若い人に薦めたい。
◆戦術は戦略に従属し、戦略は政治に、政治は経済に従属する
銀英で出て来る名言を1つだけ、その応用の仕方も含めて紹介。
現実でも通じる話で、普通の作品はこれ等の一部だけが扱われる
のですが、銀英だと全てが登場し、それ等の関係性が分かります。
経済 > 政治 > 戦略 > 戦術
【経済】
お金とモノ、それ等の流れ、社会の生産活動の調整、あるいは生産
活動そのもの。個人ならば自分にお金が流れる仕組み(≒何の職
に就くのか、何の仕事をするのか?給与は?)、といった感じ。
【政治】
お金をどう使うか配分を決める、時にはその一定量を戦争に向ける
事もある。
個人ならお金と時間を何に向けるか?戦争に関しては「何を戦争と
捉えるか?」で変わって来ると思います。(一般的には受験や資格
試験、あとは恋愛系、異性に対してのアプローチとか)
【戦略】
どこと戦うか、何と戦うか、そもそも戦うか否かの決定。敵を分析
して戦闘前に有利な状況を作り出したり、計画を立てる。
誰でも知っているであろう「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
というのも、ここに関係してくる。勝てそうにないなら、避けたり
先延ばしにしたり。
【戦術】
戦う事にした、あるいは戦わざるを得なくなった。ではどう戦うか、
追撃は?撤退するタイミングは?という話。
個人で考えると「アニメの視聴」は政治面、戦略面での失敗の類。
アニメ好きで膨大な時間(時にはお金)を投入している方、自分も
同じですが、その時間を有効に使う方法はいくらでもあります。
撤退が嫌なら経済、政治、戦略面に良い影響を与える視聴の仕方を
考えると良いです。
【補給は大事】
銀英は補給を重点的に捉えていて、その事で「実際の戦争は・・」
と軍事オタクの方々によく突っ込まれている。
個人であれば食事や睡眠。精神が疲弊して来たら気分転換、休息、
英気を養う為に遊んでみたりと、そう考えると納得出来るはず。
田中さんがサボるのが好きなので「単に性格が出ているだけ」とも
考えられますけど。
◆話は分かりやすくする事
ある程度専門知識を持ってしまうと、インテリぶって自己満足で相手
の理解を無視して話を進める人が多く、
自身高校~大学の頃はそういった傾向があった訳ですが、この作品
見てからそれが無性に恥ずかしくなり、なるべく知識が無い人にでも
通じる言葉で話す事を心がけるようになりました。
自分より遥かに頭が良くて知識がある人が、分かりやすい面白い話、
つまり銀河英雄伝説を書いていた(アニメでやっていた)ので敗北感
で一杯に、チンケな見栄やプライドをへし折られた訳です。
専門的な事を誰にでも分かりやすく話すのは、自分1人が理解する
3倍の理解が必要ならしいですが、理解不足のお馬鹿に限ってあまり
一般的ではない用語を使い、難しく分かりにくく話す。
聞き慣れない用語を並べるだけ、具体例が出せない、イメージさせる
事が出来ない、簡単に言い換えられない ≒ よく分かっていない。
現実で歴史に「天才」として名を残している人の言葉で
シンプルさは究極の洗練である(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
とか。あとはアインシュタイン、
Everything should be as simple as it is,but not simpler
訳:できるだけシンプルに、ただしシンプル過ぎないように
できるだけシンプルに、そしてシンプル過ぎないように とか。
銀英の原作者の田中芳樹は「一体何が凄いのか?」という事ですが、
アインシュタインの方の「名言のそのもの」みたいな人で、
情報の噛み砕き方、翻訳の仕方、そのバランス感覚が神憑っている。
この内容は簡単にした方が良い、これは比較した方が分かりやすい、
ここは具体例を出した方が良い、~な内容は直接だと不味いので笑い
に繋げてぼやかす、ここは直球で、ここは理解の妨げになるので全て
省略、これは大事なのでしつこく、みたいなセンス。
人間の脳みそは「大体の事は理解できるが、ちょっと分からない事が
がある位の情報」に出会った時一番活発に働く、心地良いと感じると
言われていますが、
知識が全く無い人にとってのそのレベルの内容を常にキープしている、
「少し難しい、分からない事もあるけど、大体理解出来る、頭に入る、
面白い、どんどん読める、どんど見れる」な感じ。
という事は「元々簡単なジャンルの情報」とか「元々興味がある人に
エンターテイメント性を抜きにして教えるだけ」だったら、出来る人
は結構いる訳ですが(池上○の学べるニュース!みたいな)、
本来一部専門の人しか扱わない情報の数々を大衆が見て楽しめる
レベルにまで落とし、娯楽作品として加工、それが流行るという事が
いかに不気味な事か。
各界で天才と言われている人も、所詮「食えそうな食材を(含めて)
料理している」訳でして、田中は本来食えないもの、彼以外は調理が
できないものを組み合わせて、一流の料理にしてしまった。
古めの漫画、アニメでたまにある「カレーを作ったら爆発した」の逆、
「食材とは思えないものから、見栄えが非常に良い料理が出来、それ
が非常に美味しい」というケース。
食材選択、分量の調整、味付け、料理の腕等で皆が争っている時に、
錬金術的なことをやらかした。
銀英より面白い作品、消費者ニーズに合っている(萌え、エロ、恋愛、
厨二、ゲーム系)作品は腐るほどありますが、銀英は人生で役に立つ
健康食品で構成されているので、いくら食べても大丈夫です。
似た事を冨樫作品(幽遊白書やHUNTERXHUNTER)のレビューにも
書きましたが、彼もまた錬金術士の1人でありながらも、メインで使用
するのは化学調味料たっぷりの有害物質。
非常に美味い、腕は超一流、しかし現実では何の役にも立たない。
2人ともサボり癖がある事で有名ですが、錬金術は膨大なエネルギー
が必要なのでしょう・・ね。そう思わないと、腹が立って仕方がない。
◆比喩を使う
普通の人は本読んだり会話した時に、その内容の1/10も記憶に残る事
がないらしいですが、だったら「少しでも伝わった方が良い」
大抵の場合、話は10のうち7~8位が伝われば十分で、10のうち7~8位
が正確ならばあまり問題は生じない。
そして7~8/10で良いなら例え話、比喩を使うのが手っ取り早く伝わり
やすい。
銀英には色々な比喩が出てきて、古いものや特殊なものも多いですが、
比喩というもの自体に興味が持てるようになると思います。
そもそも銀英という話自体大型の比喩みたいなもので、どの分野の事
も7~8/10程度の中身しか無いし、正確さもやはり7~8/10くらい。
だからこそ簡単で理解しやすい。
◆でも、より正確にしなければいけない話もある
主観なのか客観なのか、想像なのか事実なのか、自分の言葉なのか
誰かに聞いた言葉なのか、本音か建前か、絶対か多分か、
~らしい、おそらく~、~とも言える、~のような、~だと~が主張
している等。
より正確に伝える為に大雑把にまとめたり、別の言葉で言ってみたり、
自分のレビューでも結構あると思いますけど、主に銀英・・というか
田中芳樹の影響。という言い方自体が、田中の影響。
◆話は面白く、印象深く
ネットが一般に普及し、情報過多の時代なので、情報を選別しパッケ
ージングする(まとめる)技術は多くの人が向上している訳ですが、
その分「誰が」の部分、個性が薄れている、記憶にあまり残らない。
大半がテンプレ通りで、似たような情報を似たようにまとめている。
そんな中で「個」を出せるのは、非常に大きな武器になる、アニメの
レビューを書くのをやめても様々な場面で役に立ちます。
◆銀英の作者、田中芳樹の凄いところ
表現、創作を生業にする人の中で天才と呼ばれる方は結構いますが、
言葉の響き、使い回し、意味ありげなぼやけた表現で読者、視聴者を
惹きつける人ばかり(歴史に名を残している人含め)の中で、
そういったセンスを十二分に持ちながらも、基本的には「言葉の持つ
意味、内容の力」でダイレクトに惹く。
芸術家的な気取りがない、含みで盛る部分が無い、あっさりしている。
・名言や過去の偉人達と友達感覚
「権力、権威」を重視しない気持ちが「情報、過去の偉人達」にまで
及んでいて、必要以上に敬意を持っていない。
嫌いなもの、納得のいかないものはあっさり否定が出来る、ひねくれ
た解釈も出来る、だから普通組み合わない様々な情報と結び付いて、
通常の作品の数百倍になる量の数々の名言が生まれる。
いかなる名言、表現であろうとも一般的な情報と同等、一度原点部分、
意味の方に立ち返り、ストーリーの状況に応じてアレンジしあっさりと
再構築が出来る。
知識が凄いんじゃねーんです、知識も化け物染みてますが、その使い
方が凄いんです、色々な作品に出逢えば出会う程にその凄さが分かる。
最終的にはその部分を学んで欲しいです。そうすれば少ない知識でも
書ける事、話せる事の幅が何倍、何十倍にも広がると思います。
{/netabare}
アニメ視聴数が100未満、銀英を見た事が無い若い人に向けてのメッセージ的な。
あにこれの影響力とアニメ業界全体について
{netabare}
◆あにこれの影響力
運営している方々が優秀なお陰で「アニメ ○○」という検索ワード
でランキング、おすすめ、口コミ、評価等で1位や2位にあり、アニメ
業界の人間は意識せざるを得ない。
消費者からの評価、口コミというのは年々影響力が強くなっている為、
「ここでダメな評価をされにくい作品」を制作しなくてはならない。
少なくとも「どういったものが好まれるのか」の傾向はある程度掴む、
余程アホな企業じゃ無い限りは、その位の仕事はしているはず。
検索 今年のアニメのBD/DVDの初動売上をまとめたら凄いことになった
とは言うものの、ここの評価と売上には「あまり関係性は無い」ので、
そこまで重視はされない。
・業界への影響力を向上させるには
売れたアニメは片っ端から見て評価する人が増え、ここのランキング
が売上に近い形になれば、あにこれというサイト自体と、各レビュー
の影響力が増す訳ですが、
普通にレビューを書く分には、そんな事まで考える必要は無いと思う。
政党で言うと国会の議席数が20未満の野党、いくら騒いでも直接的な
効果はあまりない。
しかし、文章には、というよりも言論には数値とは別の力がある訳で、
優れた意見、主張、見解、分析、批評、論評は人から人へと伝搬する。
小さな点、たとえ1行レビューからだろうと、それが真に的を得ている
のであれば、爆発的に広がっていく。
たかだかレビューサイトの1つと言えども、アニメ業界の人々に「良い
作品を作ろうと思わせる力」「クソな作品を気分良く作らせない力」は
十分に有しているので、
そういった環境でレビューを書いているという事は覚えておくと良い
ような。「いくら文句を書いても無駄」とか、そんな事は無いです。
◆イノベーター理論(Innovator theory)
1、イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する層。市場全体の2.5%を構成。
2、アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集
を行い判断する人々の層。市場全体の13.5%を構成。
3、アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。慎重派ではあるものの、
全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成
4、レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。周囲の大多数が使用して
いるという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成
5、ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベー
ションが伝統化するまで採用しない。市場全体の16.0%を構成。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。
マーケティングの世界では有名な理論で、顧客を新製品やサービスの
購入態度で分類したものですが、「評価」というのも同様。
つまり「2.5%の人の行動(評価)が、97.5%の人の行動(評価)に影響
を与える」という事。
「積極的に新しいアニメを見て、自分で考え自分で評価しいてる」という人
は現在のあにこれでは非常に多く、
アニメは視聴だけならば無料という事もあって、イノベーターの割合は
他のジャンルより多いと思いますが、
それでも10%~20%位の人の行動(評価含む)が、80%~90%に影響
を与えていて、
レビュアーは大多数に影響を与える少数に属しているという事。
勿論、影響を与えると言っても一部(マイノリティを気取りたい人とか、
厨二病的な人)にはマイナスの影響だったりもしますが。
銀英だとハイドリッヒ・ラングが
「全体を100としてそのうち51を占めれば多数による支配を主張でき
ます。ところが、その多数派もいくつもの派閥に別れています。
即ち、その51のうち26を占めれば、100という全体を支配できます。
多数支配などという共和制の建前が、如何に虚しいものであるか~」
という話をしていますが、そんな感じで考えても良いですし、あとは
パレートの法則:経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成
するうちの一部の要素が生み出しているという説(80:20の法則)
カオス理論のバタフライ効果:通常なら無視できると思われるような
極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象
とか。
実際、どの程度の影響があるかはよく分からないですけど、レビュー
を書くという事は「大多数に影響を与える行為」な訳です。
レビューの内容に迷った時はその事を意識する。
読者に与える影響
他のレビュアーに与える影響
長期で考えて、あにこれに与える影響
更に長期で考えて、アニメ業界全体に与える影響
普段はろくな事を書いていないので、あまり他の方のレビューを紹介
したくないですが、今書いている事自体が
劣悪な衆愚アニメの決定版
http://www.anikore.jp/review/242462/
このレビューの内容が伝搬したものであり、それは書きながら不意に
思い出したのですが、あにこれの隅っこであろうと、誰かはこの事を
訴え続けていかなくてはならない。
銀英的に言うと、政治権力に対するジャーナリズム、そういった立場
にレビュアーはあるという事。
最近クソアニメばかり視聴し、あまり本気でレビューを書く気が起き
ない自分は、二度とこんな事を書くことは無いような気もする。
よって、これを読んでいる誰かが「頑張ってやらないとダメな事」な
訳です。頑張ってください☆
ペンは剣よりも強し。こいつは真理など滅多に存在しない人間社会
の中で、数少ない例外の一つだ。と、ヤン提督も仰っておられます。
◆マズローの欲求5段階説
ビジネス絡みだとたまに持ちだされる話ですが、長期間レビュアーを
していても、似たような欲求の変化が起きる。
自己実現欲求 : 自己の向上、活動をより充実したものにしたい
↑
尊重、承認欲求 : レビュアーとして尊重されたい、承認されたい
↑
所属、愛の欲求 : メッセージが欲しい、交流したい等
↑
安全の欲求 : 批難されたくない、叩かれたく無い
↑
生理的欲求 : 読まれたい、サンキューが欲しい
多分、こんな感じ。
欲求を外でも満たせるなら、最初の欲求以外の途中の段階をすっ飛
ばす事もあるでしょうし、必ずしも下から順にという事はないです。
「頑張ってやらないとダメ」とか書きましたが、欲求が最終段階に到達
した一部が勝手に考えて上手く書くと思うので、他に欲求があるうちは
特に意識する事は無いと思います。
◆アニメ業界の衰退
検索 アニメ業界、売上4年連続減、テレビ放送頼みからの脱却を模索
検索 5年ぶりに制作分数が増加、レポートから見るアニメ業界の現状
実際は低迷とか衰退とか言う程にひどい事は無いですが、予兆のような
ものは確実にある。
製品ライフサイクルでいう成熟期~衰退期の段階で
検索 【アニメとマーケティング分析3】今のアニメ産業の『ライフサイクル』について考察!
少し知識があると誰でも考えるよーな話。
銀英の 第40話 ユリアンの旅・人類の旅 から、一部の話を
~しかしながらその平和が続く中で、人類の上にいわゆる中世的停滞
の影が持ち掛かりました。
疲労と倦怠が希望と野心を抑え、消極が積極に、悲観が楽観に、退嬰
が進取に取って代わるようになって来たのです。
実際に科学技術による新たな発見や発明が後を絶ち、人類の生存圏の
拡張も再び頭打ちになっていったのです。
更に政治的にも民主共和政治が自浄力を失い、利権漁りと権力闘争に
のみ興味を示す衆愚政治と化していったのです。
社会的活力が失われ、社会生活や文化は廃退の一途を辿った、人々は
無気力化し老若男女を問わず麻薬や酒、性的乱交や、神秘主義に耽る
者が続出した。
あるいはスピードや暴力に刺激を求め、事故や犯罪が激増し、反比例
して検挙率は低下した。
生命を軽視し、モラルを嘲笑する傾向は深まる一方だった~
人類の未来の架空の歴史の話な訳ですが、開拓が一段落して頭打ちに
なると、大抵のものはグダグダになる。
創造的活力が失われ、アニメ業界、文化は廃退の一途を辿る、人々は
萌豚化し老若男女問わず萌えやエロ、ハーレム話に耽る者が・・
とか、そんな感じに。
進撃の巨人は良い作品だと思いますが、閉塞感の中でスピード、暴力
という点では「まさに衰退期の象徴そのもの」で、ちょっと危ない。
と言っても視聴側には大した被害は無い訳でして、一番悲惨なのは
検索 アニメ制作の現場で働く20代の平均年収110万円
採算ラインに届かないアニメが大量に制作された結果
アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki - 売上ライン一覧
その皺寄せが下っ端に来ている、というのはどこの世界でも同じ事。
◆あにこれは多分まだ成長期
登録者数の推移は知らないので、そういった点ではよく分からない訳
ですが、レビューの質は日々向上し、多様化している気がする。
各自がレビュアーであると同時に読者。そして技量に関係なく読者数
とその質が調整出来る、という点は上手く使えば非常に快適。
どうやって調整するかは書かないですが、察してくださいな事ですが、
単純に増やす事に躍起になった後は、レビュー内容についても色々と
考えると面白いと思います。
作品へのレビューは様々な点からのアプローチが可能で、ここで評価
基準になっている物語、作画、声優、音楽、キャラ以外からでも、
・見た時の状況
年齢が高い方の書く、当時の視聴状況についての話は面白いので好き
です。
・歴史的なアプローチ
ヤン提督の如く、歴史からの考察。歴史と言っても色々な歴史からの
アプローチが可能で、あにこれに長く居るとその歴史からでも色々と
書ける。
・売上からのアプローチ
ここの評価と売上は全く違うので、
検索 アニメDVD・BD売り上げまとめwiki
dvdbd.wiki.fc2.com と www38.atwiki.jp/uri-archive/? の2種類
検索 アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki
この2つはチェックしておくとレビューの幅が広がるかと。
・社会学的、工学的アプローチ
得意な人はやれば良いと思いますが、あにこれだと若干供給が多過ぎ
な気も。インテリな方々が多いんですよね、ここ。
・原作や声優、監督、スタッフ等からのアプローチ
レビューとしては王道ですけど、それだけに若干供給過多気味。
・笑いに繋げる
笑えるレビューが若干少ない気がする。Amazonの
アニマル ビッグフィギュア【親キリン】(等身大フィギュア)とか
対ライフル用防弾シールド
のレビューでも読んで、そういった方向性で突っ走るのも良いかと。
◆言葉は大事に使いなさい、ユリアン
言葉では伝わらないものが、確かにある。だけど、それは言葉を使い
尽くした人だけが言えることだ。
だから、言葉というやつは、心という海に浮かんだ氷山みたいなもの
じゃないかな。
海面から出ている部分はわずかだけど、それによって、海面下に存在
する大きなものを知覚したり感じとったりすることができる。
言葉を大事に使いなさい、ユリアン。
そうすればただ沈黙しているより、多くの事をより正確に伝えられる
のだからね。
◆ポプラン、シェーンコップ、ムライからの影響
自分の話になりますが・・
・ポプラン、シェーンコップからの影響
この2人私生活が酷い有様でも、年少者に対しては「まともぶった事を
言う事がある」訳で、最低限のモラルは有している。
ヤンや田中芳樹とかはどう頑張っても届きそうには無いものの、この
2人くらい・・には、なんとか、的な気持ちがある。
・ムライからの影響
あんなジジイは嫌いですけど、彼が第39話でユリアンに話していた事
はこれまで迷った時に何度も思い出す事になったし、現在ここまでの
内容を書いているのも、ムライからの影響が大きい。
~ 今だから言うが、私の任務はヤン提督の引き立て役だったのだ。
別に卑下したり不平を鳴らしている訳では無い。ヤン提督は指揮官と
しての資質と、参謀としての才能を両方兼備する珍しい人だ。
あの人に参謀が必要だとすれば、それは他人がどう考えているのかを
知って作戦の参考にする為さ。
だから、私としてはエル・ファシルの英雄に参謀として望まれた時、
自分の果たすべき役割は何かと考えて、すぐには結論を出せなかった。
それが出たのはイゼルローン陥落以後だ。で、私は役割を弁えて殊更
常識論を唱えたり、メルカッツ提督にも一線を引いて対応したりした
訳だ。
鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな ~
要するに、自分が必要無いと感じた時も「できる事は何か?」を考え、
その役割に徹する、普通は積極的にやらない事をする、という事。
と言ってしまえばどこの誰でも言いそうな話ですが、たまたま自分に
はムライの言葉が強く残っていた。
あにこれに来た直後、自分よりアニメそのものに対しては知識豊富な
人が沢山いる、そんな状況何を書こうか迷った末に、あにこれ全体に
不足していたものを補う役割に徹しようと思った。
その為には、一部から憎まれようが嫌われようが知った事では無い。
という点についは、「あしたのジョー」からの影響もあり、ストレス解消
という意味での利害も一致したのですが・・。
私は役割を弁えて殊更変な視点でのレビューを書きまくったり、人気
作品にも一線を引いて対応したりした訳だ。
鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな!
2013年夏に復帰した時、今度はレビュアーの質が向上しているという
点に目が行き「自分は何も書く必要なくね?」という状況に陥る。
「私が死んでも代わりはいるもの」じゃねーですけど、現代人特有の
「あれっ、自分いらなくね?」的な捻くれた感じ方は普通にする訳で、
そうすると途端にやる気が無くなる。そして休止。
冬に復帰した直後(つまり現在)もまた同じ事で悩み始めたのですが、
「あにこれがレビューサイトとして正常に機能している」という点では
特に問題は無いものの、
アニメ業界全体は? 萌えエロ産業で、問題だらけ。
レビュアー全体は? 自分と同じように休止する人は多い。
あにこれの細部は? 改善点を上げればキリが無い。
問題点は見えても、不満はあっても、自分にはなんとかする力が無い。
とはいえ、その事をレビューに書くことは出来る訳で、あとはそれを
読んだ力のあるレビュアー(将来的に力を身に付ける人を含め)達に
熱意は伝わる、そしてなんとかしようと活動するかもしれない。
ヤンは民主主義の芽を上手く残した、熱が冷めやすい自分は熱が急激
に上がった際に湧きでたここまでの思考をレビューに残す。
この行為の意義については、後世のアニメ好き達が判断する事さ!
{/netabare}
こちらはアニメ視聴数が100以上、投稿レビュー数もそれなりの人への話。
銀英の話を持ち出しているので、多少のネタバレを含みます。