退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ライバルってこういう姿であるべきですよね。
■爽やかなタッチ
原作は少年ジャンプに連載中の少年漫画。バレーを題材にしたスポーツ物。
少年ジャンプの作品という事で、某漫画作品のように、編集部の思惑により、引き伸ばしの被害に合わないか、とても心配です。
キャラクターデザインは、あっさりとしていて、爽やか系の青年が多いです。あんまり性悪なキャラクターは描かれていませんね。強いて言うなら、月島君ですが、彼も内に何か抱えているようなので、悪い人には思えませんね。
キャラクター描写を見てみる限りだと、残酷な描写が少ない事から、十代をターゲットした物だと分かります。少年漫画ですから、当然なのですけれど。
{netabare}(菅原){/netabare}君が試合に出られないのは、「グッ」と心を痛めるものがあるのですけれど、タッチが柔らかく描かれている上に、{netabare} (菅原){/netabare}君があんまり悩んでいないので、泥々さをあんまり感じないのですよね。あくまで、全体として、爽やかなタッチで物語を描いています。こういう所が、十代に好まれやすいのです。
人によって、青春の見え方は様々ですが、スポーツ少年に限れば、この爽やかなタッチはかなり共感が出来るものではないのでしょうか?
淡い思い出を見るようなこの描き方。ドラマの描き方、絵柄のタッチ、その二つだけを見ても、十代の少年が入り込みやすいように工夫されているのです。少年ジャンプに掲載されていますから、「当然なのでは?」と聞かれれば、当然なのですけれどね。
■ライバルの関係をよく描けています
{netabare}
影山君は日向君のポテンシャルは認めているのだけれど、それでも日向君は技術が覚束無い為に、自分がライバル視する相手ではないと、冷たい態度で接します。この頃の影山君は、バレーは一人でも出来ると考えていて、味方に対しても攻撃的な視線をチラつかせていたので、冷たい態度だったのも納得が出来ることなのですけれど、それでも日向君からすれば「影山君は自分の事が眼中に無いんだ」という風に解釈しても仕方がありません。
日向君は、影山君に認められる為に、馬鹿みたいに特訓します。ムカつく奴なんだけれど、技術やテクニックは一流の物を持っている。だから、猛特訓して超えてやりたい。そして、影山君が日向君の事を認めると、日向君は嬉しくなって達成感に溢れたような非常をするのですよね。この辺りの心理がとてもライバルを強調して描けています。
ライバルというのは、胸糞悪くて関わりたくないと思うこともあるのですけれど、反面、超えてやりたい、認められたい、などといった心理を抱くことが多いのですよね。そういう心理描写をちゃんと描けている所を評価したいです。
{/netabare}
■ 友情、努力、勝利
「なんで、ここで、少年ジャンプのスローガンをトピックに上げるの?」という風に疑問に思った方は多そうですね。
というのも、少年向けである事の証明である三つの要素が、綺麗に描けていたから使ってしまったのですよね。
日向と影山の友情然り、日向の努力然り。そして、烏野の勝利。この三つが少年ジャンプのスローガンとピッタリ合っています。最近は、進撃の巨人などの残酷な描写が多い作品が好まれたりしますが、「やっぱり普通の少年物も良いよね」と思わせてくれるような作品でしたね。
■完全なファンタジーではないのですよね
「黒子のバスケ」と比べて申し訳ありませんが、黒子のバスケのような超人的な技はありません。強いて言うなら神業速攻。神業速攻も、人の体で再現すれば出来ることですし、黒子のバスケのような人間離れしたような技は無いです。黒子のバスケの中にも、実際にバスケでそのテクニックを使っている選手はいますが、そのテクニックと神業速攻を比べて、どちらが派手で人間離れしているかと言えば、主観になりますが、労力が多い上に、かなりのテクニックが必要となるため、黒子のバスケの方になります。
そして、肝心な部分。ハイキューの超人的な設定とも取れる所は、「神業速攻」だけで、他の選手は、ある程度のリアリティのあるプレイをする所ですね。ハイキューはある程度のリアリティがあるのです。全体的に観て。
そういう所が、既存のジャンプ漫画「テニスの王子様」や「黒子のバスケ」とは違う所です。
神業速攻は、視聴者を驚かせるための物であり、同時に主人公が持ち合わせる特技でもあって、それによって、主人公のキャラクタがー引き立っているので、必要不可欠な物です。それでも、ある程度のリアリティを崩さずに、バレーボールをやっているという事を私は評価したいです。
■ 一つだけ
ヒロインにもうちょっとスポットを当てた方が良いのではないでしょうか?
これから、彼女の人間関係や個性が描かれるのかもしれませんが、今の状態だと、ヒロインだけ孤立しているような印象を受けます。そこだけがちょっとだけ気になりました。
■総評
スポーツ物が好きな方におすすめです。十代向けの爽やかなタッチで描かれていますが、少年漫画らしくキャラクターが丁寧に描かれているので、そういった鮮やかな青春物が好きな方には、おすすめしたい作品です。
ちょっとだけ視聴者を驚かす展開を作っていますが、リアリティを崩すことなく、それでいてライバル関係を上手く描く事が出来ていて面白いのですから、現実離れした作風が嫌いな方にもおすすめしたい作品ですね。
ヒロインの影が薄いとは思いますけれど、2期でヒロインについてのエピソードを描いてくれるかもしれないので、様子見です。