どらむろ さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
王道ファンタジーバトルの良作。チャイカの太眉とカタコトが可愛い♪
ファンタジア文庫のライトノベル原作のファンタジーアニメ。
しっかりと設定されたファンタジー舞台で、ヒロイン達や敵の目的が分かり易く、個性的なキャラ同士の交流や、バトルも熱い。
正に王道バトルファンタジーで、派手ではないが、安定して楽しめた。
太眉でセリフがカタコトなヒロインのチャイカが可愛いアニメでした♪
2期放送が決まっており、2期も更に楽しみです。
{netabare}強大な魔力で何百年も帝国を支配していた皇帝(不老不死っぽい)が死に、戦乱が終結した世界。
戦闘種族だが戦乱が終わり無聊をかこっていた主人公トールと妹(義理?)のアカリは、皇帝の娘を名乗る不思議な少女チャイカと出会う。
チャイカは、世界中に散った父の遺体を集めたい願いを持っており、トールとアカリはチャイカを助けて皇帝の遺体集めの旅に出る事に。
ところがこの皇帝の遺骸には強大な魔力があり、皇帝の娘が遺骸を手にする事を恐れる勢力(帝国を打倒した勢力)から狙われる事に。
トール、アカリ、そしてチャイカの旅と交流、敵勢力とのバトル中心の物語。
各地には皇帝の遺骸の魔力を悪用する悪者が居て、そいつと戦ったり、各勢力の思惑が絡みつつ、チャイカ達の旅が続く…。
ファンタジーとして世界観や設定が中々骨太かつ、非常に分かり易いのが良い。
己の強大な戦闘力を戦乱終結で持てあましていた主人公が、理由も分からずに「父である皇帝の遺骸を集める」目的に一途なチャイカによって目的を得ていく流れ、冒険の動機として分かり易くて自然にストーリーに入り込める。
世界の平和云々は関係無い、ただ、自分が自分らしく生きる為に。
一途に目的に向かうチャイカは可愛い上に危なっかしく、このヒロインを助けてやろっか!他に特にやる事もないし!
こういう関係性は中々に清々しく、共感出来た。
バトル面では主人公は呪文詠唱して一時的に身体能力超強化して白兵戦スタイル、ヒロインは長い呪文詠唱して大型狙撃銃から強力な魔法撃つタイプ。
スピード感あるバトルと、強力だが取り回しが効かず単騎では無力なヒロインとのコンビネーションが熱い。
王道だがバトルファンタジーとして中々良質で楽しませてくれる。
中二っぽい呪文詠唱も、これぞラノベのバトルファンタジー感あって好きですw
敵勢力も最前線の実行部隊は、心から平和を願う善良な軍人で好感持てる連中であったが、果たして彼らの方が正義なのか?
トールは世界平和なぞ知ったこっちゃないスタイル。
一見、敵の方が正義にも見えるが。
視聴者目線では、チャイカの純粋で一途な想い(と可愛さ)を知っている為、正義だの大義だのをトールが突っ張ねて戦う姿勢に、喝采を送りたくなる。
正義なんぞより、目の前の自分の生き方を貫く!
世界平和とやらは知るか!チャイカは渡さない!(かわいいし。勿体無いッ)
分かり易い構図の中、しっかりと主人公達に共感出来るのが、本作のストーリーを良いと思う理由だった。
終盤、皇帝の遺骸を悪用して戦乱起こそうとする悪人(狂人)と反帝国陣営(今までチャイカを狙ってきた連中の本国)と三つ巴のバトルに。
浮遊要塞同士のスケールのでかいバトルになりつつ、実はチャイカは皇帝の実の娘か怪しい?
チャイカとそっくりなクローン?が沢山居て、どうやら皇帝の遺骸集めをプログラム?した黒幕が居る?
等々の謎や伏線が明らかになっていく。
チャイカとは何者なのか?その目的の先にあるモノとはいったい…?
多くの謎や伏線を残しつつ、物語は2期へと続く。
総じて派手な見所こそ少ないが、安定した世界観と伏線交えつつ分かり易いストーリー。
2期が楽しみです♪
『作画』
ヒロインのチャイカは太眉で一般的美少女の基準から外れてはいるが、これが実に可愛い。
チャイカ以外はスタンダードなラノベ絵だが、バトル演出も世界描写もそこそこ安定している。
『声優』
安定。安済知佳さんのカタコトがチャイカの可愛さ出ていた。
フレドリカの斎藤千和さんがあざとい可愛さ、狂気の少年リカルドの緒方恵美さんが一番ハマリ役か。
『音楽』
歌詞は何となくだが、チャイカの想いを感じさせる。
イントロも割と好きな部類だが、やや単調な印象も。
『キャラ』
ヒロイン・チャイカの可愛さが見所か。
太眉、カタコトのセリフ、身の丈超える巨大な棺背負う放浪の姫。
世間知らずで純真無垢な危うさ、目的に一途に頑張る姿等々、放っとけないタイプのヒロイン。
正義・大義的には仮に間違っていたとしても、トールがチャイカを守って戦うに足る説得力を持った良ヒロインであろう。
トールはラノベによく居るタイプの醒めた主人公、己の道は誰にも指図されない生き様が共感出来る。
妹(実妹じゃない?)のアカリもクールビューティーかつ兄様大好き、かと思えばクールだったりと可愛い。
チャイカ一行のメイン敵となる部隊が悪人ではなく、正義の葛藤あるのが好感持てる。
殺人狂の少年貴族が胸糞悪い敵だったが、ラストは切なかった。
竜族?の美少女フレドリカが萌え的には一番可愛かった。
危険だが、かわいいです。
『追記』
総合3.6点と意外に低くなってしまったが、その割には数値以上の面白さを感じる好きなアニメです。
何故だろう?抜きん出てはいないが、とにかく安心安定して楽しめる優れた王道ファンタジー。
2期も観れば、最終的に評価上がるかもです。
『もうひとつ追記・これ、捨てプリ作者の作品だった!』
他のレビュアーさんのレビュー(500文字以上)一通り拝見させて頂いた際に気付いたのですが、本作は捨てプリこと「スクラップド・プリンセス」の榊一郎先生の作品であった。
確かに、基本プロットが捨てプリを彷彿とさせる。
世界平和の為にはヒロイン死んだ(チャイカの場合捕縛?)された方が良い、それが正義。
でも、主人公の兄妹(捨てプリも双子の兄妹、ラクウェルのが姉だっけ?)が大義よりも目の前のヒロインを守る事を選択する。
骨太でしっかりした王道ファンタジーといい、白兵と魔法のコンビネーションといい、敵側の特殊機関といい、スクラップドプリンセスを彷彿とさせる要素多かった。
榊先生衰えてないなぁ…ちょっと嬉しくなったです。{/netabare}