おぬごん さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
非常に計算された作品だが…
主人公は食人鬼・喰種の血が混じってしまった人間
異種と人間とのハーフというのはありふれた設定で、ハーフがなぜか元の異種よりも強くなるというのもよくある設定だが、この設定には「何で人間の血が混ざって元より強くなるんだよw」というツッコミがつきものだ
その点、この作品の喰種は「人間が力の源である」という設定により、この疑問に回答を与えている
人間に喰種の血が交じることにより、逆説的に喰種が常に人間の力を得るようになる、という寸法だ
この周到な設定に代表されるように、この作品は非常に計算され作られているように感じた
ほぼ完璧な導入に始まり、
喰種とのハーフとなった葛藤を描き、
喰種の内面が人間と変わらないものであることを描き、
主人公が特別な存在であるというエピソードを挟み、
喰種と人類(警察)との、やりきれない戦いを描く
そしてもう人類との戦いはこれ以上広げてもやるせない展開に変わりはないので、
喰種同士の抗争を始めさせ、単純なバトルモノにシフト、
その中で主人公に成長を無理やり促し覚醒させる
そして原作の「第一部完」とともにアニメを尻切れで終わらせ、
直後、実に出来すぎたタイミングでイベント開催…
実によくできている展開である
が、その反面、意外性のない教科書通りのストーリー進行に感じてしまった
キャラもそこまで特徴的ではなく(真戸や月山も、ハッキリ言って昨今珍しくないキャラである)、
戦闘や拷問シーンにも際立ったオリジナリテイが感じられなかった
作画は良かったけど、グロシーンには規制入っちゃうし…
よくできている分、普段こういった作品を見ない人にはヒットするだろうが、
逆に普段からフィクションに慣れ親しんでいる人にとっては意外性の無い作品に留まってしまうのでは
おそらくだが、作者は感性ではなく理詰めでストーリーを構築する、バクマンでいうところのシュージンタイプなのだろうと感じた