りぃたん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
東京を舞台に、弾き出された者たちのアンニュイでスリリングな世界観。
渡辺信一郎監督のアニメオリジナルストーリー。
音楽は、菅野よう子。
キャラクターデザインは、中澤一登。
冒頭、青森の核燃料再処理施設から、
何者かにより、何かが秘密裏に盗み出される。
そして、次々に、謎の少年2人のネット上からの謎掛けと爆破予告。
それに、警視庁の左遷された元有能刑事が挑み、事件の真相に迫って行く中、
アメリカ政府が関与する。
社会派サスペンスアドベンチャー。
使い古された感のある社会派テロ物ですが、
パトレイバー好きの私には、大好きなテーマ。
犯人の足跡を追う下りや神話をモチーフに謎解きを
して行くなど大好きですし、
更に、そこに家庭や学校でも居場所のない、
寂しい可愛いらしい少女の存在もあって、
淡い恋模様を味付けに、もうムード満点で、
毎週、楽しみに視聴しました。
キャラクターデザインや作画や音楽が、
東京を舞台に、上質でハイセンスな世界観を
充分に堪能させてくれます。
ただ、全体的には綺麗に纏まっていて、
流石だと思うのですが、物語の状況の細部に、
突っ込みたくなるような甘い点が度々有り、
大変惜しい作品だな、と思いました。
OPとED共に、
音楽担当の菅野よう子さんが作曲していて、
全体の雰囲気の統一感があります。
OPとEDの曲も作画も、とても良かったです。
それに、美しくドキドキする心に残るシーンも、
要所要所にあって、私の中では、
今期の数々の名シーンになりました。
観覧車のシーンは、月明かりと暗部の色遣いが絶妙。
ガラスやプラスチック、瞳などへの
電子機器や街の灯りの細かい映り込みが凝っていて美しいです。
あの近くのまた別の観覧車に、正しく夜に乗ったことがあるのですが、
その雰囲気をありありと思い起こされるリアリテイで、
見ている私も、冷や汗をかいてしまいました。
ピカレスクロマン的で、時にアンニュイな感じ。
最近少なくなってきたような気もするのですが、
そんな雰囲気が味わえた感じがします。
渡辺信一郎監督は、
1シーズンのストーリー作りを
気に入っているというような記事をどこかで読んだので、
また、次回作も楽しみにしています。