migratory さんの感想・評価
2.3
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 1.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:----
誰に何を伝えようとしているのか―その明確な答え
この話は映画で見たいと思った。
率直な感想ですが、この話の内容では「ブラック★ロックシューター」という曲がとても陳腐なもののように聞こえてさせてしまいます。この想像させる、素晴らしい曲を物語られたこの話の「叫び」に通じる部分は表現して欲しくないのが正直なところです。
たとえば、この物語の日常的な部分や友達との関係や、付き合っているのをばらされたりしたあれや、ただひたすらに受動されるがままに攻撃されていくブラック★ロックシューターの彼女や歩けるのに歩けない(歩かないのではなく)カガリは、その全てが「ブラック★ロックシューター」を語ったニセモノのように感じます。
それは、この感じは、有名な売れているマンガが実写化されて、別作品になっても物語の締めくくり方がよければ全て良し、という風潮がある中でこの物語もその惑わしに誤魔化されている印象を受けます。
本来、それが歌なら何事もなく消化されるはずなのに、この映像表現の場合「あとどれだけ叫べばいいのだろうあとどれだけ泣けばいいのだろう」って言われたって、いくらでも泣いて良いし、いくらでも叫んで良いんだよって言ってあげることくらいしか出来ない(この物語はそれが欲しいわけじゃないとは思いますが)。
こらえた涙は流せば良いし、そこにこらえているという状態を加えるという表現の涙には純粋さを感じることが出来なくなってしまう。
この物語の解釈は至ってシンプルでいい。それでも、むずかしくさせている演出にかなり違和感を感じてしまっていて、素晴らしい曲を陳腐にさせてしまっているストーリーにどうしてもオリジナル性を見出すことが出来ません。
逆に見にくく感じさせてしまっている部分は、そこが原因なのかもしれません。もっとヒーローものの、冒険物でも良かったはずなのに。
各話を載せてみました。
第一話 あとどれだけ叫べばいいのだろう
第二話 夜明けを抱く空
第三話 こらえた涙があふれそうなの
第四話 いつか夢見た世界が閉じる
第五話 ブラック★ロックシューター
第六話 あるはずもないあの時の希望
第七話 闇を駆ける星に願いを
第八話 世界を超えて
ストーリーだけを抽出すると、マトのカガリへの言い分は分かるし、カガリ自身の抜け出せないパラドクスのようなものも共感できるのだけれど、結局は生得的に負荷を課せられているわけではないわけだし、根底の大事なところの過敏な部分が語られぬまま不明瞭なのでドラマとして消化不良だと感じてます。
また、疑問なのですが、画期的アニメを背負わされた感じのアニメでは何故、花澤さん・沢城さん・阿澄さん・喜多村さん等の布陣で声優が起用されるのでしょうか。今回の作品に限っては配役ミスでは?と感じるところもしばしば見受けられるので全体の印象としては変なアピールとして受け取ってしまいそうで怖いです。
「ブラック★ロックシューター」のOPは素晴らしいですね。原曲のままの初音ミクさんの声と映像とが疾走感ともに、透き通っていく空のようなものを感じさせるので、それだけでこの作品を見た気持ちにさせてくれます。