じたん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
さわやかに感動する!
遅ればせながら今になってようやく観れました。
いやーよかったです!脚本がしっかりしていて最後まで楽しく観れました。
ただ一番よかったと思うのは奥華子さんの「ガーネット」ですね。
これが本当にストーリーとマッチしていてこの曲を聴くたびに劇中のあのシーンこのシーンがよみがえってきます。
特に歌詞がこの映画の言いたいことをバッチリ言い表しています。
僕の中ではこの曲なしにはこの物語は語れないです。
この映画のすばらしさを表すポイントは二つだと思います。
一つは本当は過ぎ去った時は二度と戻ってこないというメッセージ。
もう一つはさわやかに前向きに感動できること。
以降ではネタバレありでこの二つについて、奥華子さんの歌詞と絡めて考えていきたいと思います。
{netabare}
●過ぎた時は二度と戻ってこない
time waits for no one.時は待ってくれない。劇中で黒板に書いてあるこのセリフが表すのは、過去に戻ることができないからこその今この瞬間の大切さだと思います。
タイムリープ能力を得たマコトは何度も過去にさかのぼる中でこの意味を痛感します。ここで印象的なシーンを一つ。
劇中で夕焼けの中マコトとチアキが河川敷を歩くシーンが二回あります。
一回目はチアキが告白するシーン。マコトは手に入れたタイムリープの力でチアキが何度も告白するのをかわし、先延ばしにする方法を選びます。
そして二回目、チアキとの別れのシーンで、マコトはチアキの告白を待ちますが(おそらく観てる側みんなもw)チアキは告白してくれません。(仲好さそうなニケツしたカップルを登場させる演出もにくいw)
よく考えれば当然です。なぜなら本来過去に戻ることなんてできないから。
あの時のチアキはもうここにはいません。もう告白してくれたチアキはそこにいないのです。
奥華子さんの歌詞はここをこう表現しています。
「好きという気持ちがわからなくて
二度とは戻らないこの時間が
その意味をあたしに教えてくれた」
二度とは戻らない時の大切さや切なさをここに感じます。しかしここで終わらないのが時をかける少女!(笑)
ただ切ない気持ちだけを残すのではなく前に向かっていく気持ちを与えさわやかな感動をくれます。 それが二つ目のポイントです。
●前向きでさわやかな感動
まずは奥華子さんの歌詞です。
「いつか他の誰かを好きになったとしても
あなたはずっと特別で大切で
またこの季節がめぐってく」
チアキとの別れの最後に未来で待ってるとマコトはつげられます。
マコトがすぐ行く。走っていく。と答えたことから僕は理系文系で迷っていたマコトは理系に進みタイムリープできる機械の開発に向かうのではないかと予想しました。
だけど開発に成功する可能性は低そうです。チアキがいったいいつの時代の人かもわからず、さらに未来に行ける可能性は低そうです。
そしてマコト自身もその後の人生でチアキ以外の誰かを好きになり(おばさんとは違い)結婚するかもしれません。
ただそういうのは結果論であり、大事なのはこれからマコトが”今”を目標を持って全力で走るということにあると思います。
チアキとの出会いのおかげで”今”を全力で生きていくマコトがあるなら、チアキとの出会いや好きになったことは決して無駄ではないはずです。
たとえ「いつか他の誰かを好きになっても」です。
そもそも人の成長とはそういうものだと思います。
別の人を好きになったとしてもチアキとの思い出は特別だし大切。
かけがえのない出会いと別れを経験しながら人は成長していくものだと思います。
このようにマコト自身の成長を感じさせることですごく前向きなメッセージを発していると思います。ここがさわやかに感動できた理由なのかと思いました。
●最後に
夕暮れの河川敷で最後の別れのシーン、告白もキスもせず「未来で待ってる。」とつげたチアキと「すぐ行く。走っていく。」と答えたマコト。
すごくいい終わり方だったと思います。
物語は完結せず今も未来に向かってを走り続けるマコトがいるような気がしました。
{/netabare}