westkage。 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
従来のTCGを題材としたアニメ作品とは全く違うコンセプトで制作された作品。今後に期待です!
本作は2014年4月26日にタカラトミーから発売されたトレーディングカードゲーム「WIXOSS」(ウィクロス)を題材としたメディアミックス作品です。
トレーディングカードゲーム(TCG)を題材としているアニメは多数ありますが、土・日曜日の朝に放映されるアニメのような「ルールやプレイングを掘り下げるための販促目的の物語」ではなく、あくまで「WIXOSSというゲームを軸にどういうドラマを展開するか」という点に主眼が置かれている事が大きな特徴となります。
つまり従来のTCGアニメ化の作品とはターゲット層が全く違うんですね。良くありがちな、カードバトルの攻防に関した説明的なセリフのやり取りはほとんど無いので「カードゲームをリアルにプレイしている人じゃないと興味が持てない」という様な状況にはなりません。私も視聴開始の時点でTCGを題材としている事は知っていたので「よくあるお子様向けアニメみたいな作りだったら1話切りだな」と思いながら視聴しましたが、全くそのような心配はありませんのでご安心ください。
あらすじとして、中学2年生の女子「小湊るう子」は引っ越しした先の学校でクラスメイトになじめなず友達が作れない生活が続いていた。それを見かねた兄が ‘学生・社会人を問わず女子に人気のカードゲーム’ である「WIXOSS」を友達を作るためにと妹にプレゼントする。るう子は自分の部屋でWIXOSSの説明書を読み「ルリグ」というプレイヤーの分身となるカードを見つめるが、いきなりそのカードに描かれている少女が喋りだす。そしてその後「特別な喋るルリグカードを持つ者は‘セレクター’と呼ばれ普通の人間には気づかれないフィールドでカードバトルを繰り広げている」という真実を聞く。バトルに勝ち続け、願いを叶えることが出来る「夢限少女」を目指す少女達の闘いが幕を開ける…といった始まりかたですね。
物語にただようダークな雰囲気、また女子中学生の願いを叶えるための物語という話の切り口からどうしても「魔法少女まどかマギカ」を連想してしまいます。主人公の小湊るう子の性格が「元の性格は明るいのにやや引っ込み思案でオドオドしている」という所も通じるものがありますよねwそしてまど可愛い感じのボイスを担当しているのは声優の「加隈亜衣」誰かと思えばアルドノアゼロの「ニーナ・クライン」ちゃんなんですね。演じる役が違うので気づきませんでした。
総評としては「今後に期待したい作品」と言った感じです。全12話で終わりなのかと思いきや、2期が10月からあるんですね。自分は2期の存在を知らなかったので「色々ややこしい作りをしてる割にはこれで終わりか…普通だな」と思いながら最終話を見ていましたが、全くそんな綺麗な終わり方はしてくれなかったので、私にとってはそこが凄く良かったですね。「おおっ!?」と思いましたw 評価が上がった瞬間ですw
また「鬱アニメ」としての評価を多く聞きますが、自分としてはそこまで鬱アニメという印象を受けておりません。スクールデイズやエルフェンリートクラスの凄惨な惨劇があるわけではないので、やや暗めのダークストーリーという見解で大丈夫かと思います。まどかマギカよりもだいぶとマシなはずです。他の方のレビューを否定している訳ではないのであしからずです。
イマイチ残念な点としては音楽全般です。劇中のBGMは少し安っぽい感じ。そしてなによりOP/EDテーマが個人的には全く好みでは無かった点が残念です。あんまり音楽を酷評する事も少ないのですが、かなり目に付いてしまったので残念な感じです。作画も現在の業界全体の基準を考えると普通ですね。2期が早い段階で決定していることから見ても、タカラトミーからの潤沢な資金提供があるんでしょうに、もう少し映像・音楽面といった重要な部分の作り込みはしっかりとして頂きたかったですね。これがやや世間から地味な作品と位置付けられているポイントではないでしょうか。
とはいえ従来のTCGアニメに比べてストーリーやキャラクターの部分での評価は個人的に高い水準ですし、なにより2期が期待できるような終わり方をしている所から現時点では高評価を付けたい作品であります。次回作に大きく期待をして放映を待ちたいと思います。
*以下ネタバレレビューにて注意です
{netabare}「セレクターが願いを叶えるにあたりルリグと入れ替わる」という部分ですが、正直途中の話の流れから予想できた今後の展開の候補の中の一つだったので「やっぱりか」といった印象でした。こういう部分って大事だと思いますね、やはり最後に期待や予想を裏切ってくれないと面白さも半減します。やや真実を暴くまでに時間をかけていたので、であればこその演出には気を使って欲しかったです。
ただ逆に最終話に関しては2期を知らなかった分、まさかあそこで話が終わらない展開になるとは思わなかったので個人的には満足できました。
また「ルリグ」が願いを叶える役目を負う所も真実を隠して願いを叶える所も、やっぱりきゅうべぇを彷彿させるマスコットキャラクターっぷりでしたw どうしてもこれは仕方ないですね。
まどかマギカの劣化版…などと銘打たれないためにも、これからの展開は大事だと思います。2期では最悪物語の途中で予想が可能になるような安い作りにはならない事を願うばかりですね。
あとどうでも良い話ですが「アキラッキー♪」でおなじみの登場人物「蒼井 晶」ですが、劇中にモデル事務所スタッフから「安っぽい」と批判されます。まあギャルっぽい風体から世の中の男性からはそう見られるのかもしれませんが、ここは少し疑問です。「ギャル=安い」みたいなイメージは世間一般の素人男性が持つようなイメージで、基本的に女性からはそのような目では見られないはずです。女性の言う「安っぽい」は基本的に「ファッションセンスが安い」という意味であり、女性自身の内面を否定するセリフではありません。ましてや「カリスマ読者モデル」の彼女が女性誌のスタッフにそのような意味でのセリフを吐かれるでしょうか?(女性雑誌に採用するかどうかの評価としてです。内面は写真に写りませんしね)カリスマ読者モデルって事は雑誌の人気投票などで高評価の女性と言う事です。つまりはファッションセンスが女性の支持を得ているという事です。なので吐かれるとすればそれは男性的な視点でのセリフの「安っぽい」です。つまりは「尻軽っぽい」という意味で、そんな事は女性誌のモデルにおいては当てはまらない訳です。
つまり何が言いたいかというとギャル=安そうという安直なイメージから「そんなセリフを考えた制作陣の見識が安い」って事です。アキラッキーは気に入ってるんだから、彼女に謝りたまえw{/netabare}