
退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
文学が身近に
このアニメ作品、皆さんの評価が低いのですが私はすきです。
日本の代表する文学をアニメ化。
冒頭で語っているのですが、
「若い世代にとっては昔の話、上の世代にとっては昔読まされた話」
・・確かに!
図書館や図書室でいかにも難しそうな書籍たちが並び、その中にこのアニメで表現された作品たちは置いてあります。
人間失格、こゝろ、桜の森の満開の下、蜘蛛の糸、走れメロス
本を開くと、印刷部が古く滲み、茶色くなったページ。まるで読む気にもならない。
けれど、本の中の人たちは特別難しい人間ではなくて、私たちと同じで
青さや愚かさ、悲しみや喜び、時には焦り、怒り、涙。 動く心、衝動。
とても人らしい感情をもった主人公たちが描かれています。
小さな、汲み取らないような感情を丁寧に表現するさまは惹きつけられます。
アニメ化にあたり、それぞれのキャラクター原案が、週刊少年ジャンプの有名な漫画家たちということで
観やすく、文学との距離をとても近いものにしてくれたのだなぁと感じました。
想像していたのと少し違ったり、制作した方たちの原作とは違う解釈があったりしたのですが、
今の人たちに、受け入れてもらいやすいように表現して
もう一度読み返そう!と思ったり、ちょっと読んでみようかな?と思ったりして
本を手にとってもらえたら・・ということなのかな。
鬱々とした雰囲気や堕ちてゆく様、狂気ギリギリの心理描写など、見所満載でした。