鶴 さんの感想・評価

4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

解決策ゼロのアニメ

設定、キャラ設定、動機、戦闘シーンともに申し分ない。

すべての願いを叶えるという万能の願望器：聖杯。

この設定のためにそれぞれの心の葛藤や生き様が色濃く描かれる。
さらにこれを濃くしているのが、サーバントと呼ばれる古今東西の英雄たち。

元英雄たちであるがゆえにその生き様や行動規範はそのほとんどが主人公といってもいいほど。
この物語の主人公であるエミヤキリツグがプロトタイプの主人公らしくない行動をするためこの構図は見ていて面白い。

恐ろしく現実的で自分の幸福を望まないキリツグと
恐ろしく理想的で自分の幸福を望まないセイバー
自分の望みすらわからず虚無の存在として生きるコトミネキレイ
夢を語り覇道を唱えるライダー
この世すべてを支配し尽くしたアーチャー

など

とにかく一人一人のキャラが濃く見ているものを飽きさせない。
{netabare}ただ、主人公の願望が恐ろしく現実離れしているので、エンディングはどこか腑に落ちない。しかし、これはFate/stay nightにつなぐための話だから腑に落ちてはいけないと考えるとこの終わり方がよかったのかもしれない。

{/netabare}

現在、Fate/stay nightを視聴中だが、一人一人の人物描写の細かさでいったらこっちの方がはるかに上をいっており、面白い！

逆にFate/stay nightは（元々のギャルゲー要素のためか）主人公に焦点がフォーカスしすぎており、群像劇を描きやすいせっかくの聖杯戦争という設定を生かしきれていないように思う。