アリア社長 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
正真正銘「普通」の少年は狂気の世界で何が出来るのか?
アニメや漫画で、主人公のことを「普通」の高校生◯◯なんて紹介しときながら、実は天才だったり、全然普通じゃないことってよくありますよね。
でもこのアニメの主人公はホントにTHE 普通って感じです。
特別な才能もない少年A君。
そのことが最も顕著なのは、このアニメはロボットに乗って敵と戦ったりするのですが、主人公はロボの操縦が上手くないため、ロボに乗りません。
(ロボが出るのにロボに乗らない主人公って・・・)
このアニメの1番の見どころは、そんな「普通」の少年が常識の通用しない狂気の世界で、一体何が出来るのか?という所だと思います。
舞台は宇宙、航宙士養成所で何者かによって襲撃された10代の少年少女487名は、宇宙船に閉じ込められ、長い長い漂流生活を余儀なくされます。
大人のいない宇宙船の中では、徐々に子供たちによる独自の秩序が形成され、そこでは世の中の常識は通用しません。
子供たちは次第に狂気に捕らわれていきます。
そんな宇宙船という閉鎖空間において、様々な立場の人間・勢力が登場し、パワーバランスが作中でめまぐるしく変化していきます。
漂流中、希望が見えたと思ったら消え、今度こそはと思ったらまた消えの繰り返し。
視聴者は閉じ込められた子ども達と同様の絶望を味わうでしょう。
話の展開が劇的なので、暗い話多めにもかかわらず続きが気になり、あっという間に最後まで見ちゃいます。
「普通」の主人公は極限状態の中、最後にどんな選択をするのか?
濃厚なストーリーを楽しみたい方にぜひオススメです。