どらむろ さんの感想・評価

4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 2.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

戦国萌え＋架空戦記系として存外侮れない怪作

歴史ゲームオタの主人公が戦国時代（ただし武将が美少女な異世界？）にタイムスリップ、秀吉に代わって織田信奈（無論美少女）に仕えて戦国乱世で活躍していく感じ。
武将萌え化ハーレムかと思いきや、存外歴史ネタを交えたストーリー展開も侮れない。
最大の特長はキャラデザの可愛さが抜きん出ている点で、余程御都合主義が嫌いで無い限り、萌え的にはオススメ作品です。
私的に、かなりの好評価。


{netabare}『物語』
原作はライトノベルで、「未来知識活用して軍師として活躍する」系、月刊少年マガジンの漫画「狼龍伝」の序盤のような初期設定。
戦国を美少女武将に置き換えつつ、割と本気で戦国乱世を戦うのだが、流石に御都合主義的側面は否めないにせよ、ラノベのエンタテイメントと割り切れるならば、存外侮れない歴史の小ネタを活かした話の展開は見事。
私は結構日本史好きなので、例えば「斎藤道三がもし生きてたら」等々の架空歴史物特有の面白さを終始感じられた。
本作のストーリー面での評価は専ら「歴史ネタの超展開や御都合主義をどこまで許容出来るか」に掛かっていそう。
真面目すぎる歴史好きにとっては不愉快かもだが、個人的には前述の通りエンタテイメントと完全に割り切って、存分に楽しめた。
第一「織田信長ら戦国武将が美少女な時点で真面目な歴史考証無意味」でしょうｗ

割と真面目に戦国してるので時にシリアスもあったりするが、基本は信奈たち美少女武将の可愛さや萌えをお楽しみ頂くアニメ。
本作の特長は程良いシリアスとハーレム萌えのバランスかも。
あまり人死には出ないものの本気の戦国を戦い抜く過程でフラグが立つので、主人公の好感度が上がるのは違和感を感じない。

展開は早く、反織田包囲網との戦いを経て最終的には本能寺近くまで行ってしまう。
ラスボスを近衛前久（このえ・さきひさ）が務めるのは「秀吉でごザル！」という漫画も含めて、珍しくて面白かった。
各勢力（無論、美少女多し）が林立する展開は、意外に歴史戦記としても見所あり（御都合主義に目をつむれば、だが）終始飽きさせなかった。
丁度キリの良い終わり方で、あるいは2期も期待出来る（かも知れない）。

個人的に気にならないとはいえやはり強引な御都合展開は否めない点を考慮、かなり厳し目の評価に。


『作画』
本作の見所。美少女武将がとにかく可愛い！作画の可愛さは近年でも抜きん出ている部類に入る。
信奈のような金髪美少女から今川義元のような黒髪美少女等、各種の美少女全員が可愛かった。
特にねねや五右衛門や竹中半兵衛ら幼女の可愛さは反則級にあざといッ！
露骨すぎるエロ…かどうかギリギリ、これはスゴイｗ

また、斎藤道三らオッサンの作画も凝っており、背景描写も手抜きが無い。
経験上、美少女主体でもオッサンの作画に手抜きが無いアニメは良作多し。

『声優』
伊藤かな恵さんの信奈はハマリ役、ツンデレ唯我独尊な信奈の魅力を遺憾なく発揮。
今川義元の能登麻美子さんも良かった。
しかし本作の見所は幼女勢、前田犬千代の福圓美里さん、ねねの北方奈月さん、竹中半兵衛の小倉ゆいさん、そして五右衛門の金田朋子さんのあざとい演技が凄まじい。
金朋ボイスの本領ここにあり！金田さんをもって最高評価！

女性陣だけでなく男性陣がかなり豪華で、斎藤道三に大ベテランの麦人さん等、燻し銀が光った。
ここら辺が並みの萌えアニメと断じるには惜しい、本作の意外な魅力に繋がっている気がする。

『音楽』
OPがイマイチなのだけが残念。まあ一応信奈視点ではあるのかも知れないが…

『キャラ』
メインヒロインの信奈はやや出番少な目だが、やはりメインヒロインらしく、普段の厳格な当主の顔から、弱音をはいてデレるギャップが可愛かった。
しかし萌え的には五右衛門やねねが圧倒的可愛さ！
更に病弱な竹中半兵衛ちゃんが可愛過ぎた。守ってあげたくなる可愛さ。

姫武将の萌えが一番の見所だが、本作の評価が割れるポイントは、主人公の相良良晴の評価次第だろう。
ラノベ的な御都合野郎とネガティブに見れば本作自体の評価も下がってしまうが…
個人的に、彼は結構好きなタイプの主人公です。
軍師系だが天才・秀才系ではなく、泥臭く小賢しく粘って知恵を出していくタイプ。
「イクシオンサーガ」の火風紺（かふう・こん）と相通じるタイプだと思う（中の人も同じ 江口拓也さんであるし）。
斎藤道三もカッコ良かった。
五右衛門配下の男衆含め男性陣に一定の魅力を感じるのが良かった。{/netabare}