「東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)」

総合得点
86.4
感想・評価
2698
棚に入れた
13853
ランキング
199
★★★★☆ 3.8 (2698)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

ふりーだむ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

同年代の子供を持つ親として、泣かずにはいられない作品でした。

夏休み、多忙の両親を持つ未来と悠貴の姉弟。弟の願いでお台場で行われているロボット展に来ているるさなか、姉弟は首都直下型地震に遭遇してしまう。行方不明になった弟を探す手伝いをしてくれたバイク便ライダー・真理とともに震災直後、家へ向かう姿を描いた作品。

この作品は、私が今まで見てきた作品の中で一番泣けました。

主人公である未来は中学一年生、弟の悠貴は小学三年生。私の持つ二人の子供たちと非常に似た年頃の子供たちです。
そのせいか、思いっきり自分の子供たちの姿と重ねて見てしまいました。

少し大人ぶっていて、気難しい年頃の姉の未来。元気で遊びたい盛りの弟の悠貴。地震直後の不安と、先が見えない絶望感と戦いながら、一児の母のおせっかいやきのバイク便ライダー・真理に支えられてお台場から家への帰途に向かいます。

悠貴の子供らしい心の叫びに、何度も胸が熱くなりました。「パパとママに会いたい」「みんなでまた橋を見に行こうね」。
リアルの私もここ3年ほど、夏休みどころか、ろくに休めず、子供たちに淋しい思いをさせています。そんな自分の子供の叫びにも聞こえました。

道中、大きな余震で落下物の直撃を受けそうになった姉を弟が身を挺して防ぎます。結局その時のけがが原因で、弟は命を落としてしまいます。
痛みをこらえ、姉と真理を心配させじと悠貴は頑張りますが、激しい頭痛や嘔吐をするようになり、道中倒れ、病院に運ばれてそこで息を引き取ります。
未来は現実逃避か姉を悲しませたくないという悠貴の強い思いからか、元気になった(ように見える)悠貴を連れ、家に向かいます。
劇中後半、さも生きてるように描かれていますが、悠貴の姿は未来にしか見えていない。明るく姉を元気づける悠貴(の意識?)、悠貴の死を受け入れようとするもまだ受け入れられないでいる未来の姿も悲しかった。

無事に再会を果たした真理とその子供の再会のシーンも良かったです。気丈にふるまいながら住まいのある三軒茶屋の火災が気になり、その不安と、二人を連れていくという責任の重さに耐えていた真理が、一時は死んだと思われていた子供と再会したシーン、ここも涙なしには見られませんでした。

そして後半、真理と別れ、家への帰途に急ぐ未来。悠貴(の意識?)が切り出す「あのね、お姉ちゃん・・・」ここからは涙の連続。
家に着き、母と再会するシーン、消えゆく悠貴(の意識)の姿。落ち着きを取り戻した家で、悠貴からのプレゼントを母に渡すシーン、思い出しただけでも涙が出そうです。自分のことだと置き換えただけで胸が締め付けられます。

実際に震災に遭われたり、もっと悲しい出来事を知っている方には「実際はこんなもんじゃないよ」とか、「これを見て泣けるなんて幸せだね」と言われそうですが、やっぱり、自分はともかくわが子のことを考えると、この作品を見て泣かずにはいられない自分がいます。

近年、私の住む関東にも大震災が起こるというようなことが囁かれています。その時に自分がこの状況になったらどうなるのか。
作中、逃げるのに必死で他人の事など考えない人の描写や、集団移動の最中、真理たちとはぐれ、立ち止まっている未来に「こんなとこで止まるな!」と怒鳴る大人の描写、トイレの順番待ちに割り込みする若者の描写が描かれています。実際にあるような光景ですが、非常に不愉快でした。なぜに人は優しくなれないのだろう。もしかすると自分もそうなのかもしれないが、そんな時こそ弱者を思いやり、いたわり、助けるべきではないのか。劇中、真理は見ず知らずの未来たちを助けたり、ベビーカーが段差で身動きが取れない子連れの親子を助けます。「こうじゃなきゃいけない」と思います。別作品ですが「コードギアス」のナナリーよろしく、「優しい世界でありますように」と願ってしまいます。当事者の方たちからは「そんな状況じゃない」とか「実際被害に遭ってないくせに綺麗事を言うな」と言われそうですが、自分自身「誰かを助けられる存在」でありたいと強く願ってしまいます。

さまざまな事情に詳しくない私は、この作品のリアリティーさなどに不自然さや違和感など感じず、一つの物語として視聴し、自分の置かれている状況に置き換え、素直に悲しくなり、泣きました。CLANNAD同様、そういったあらさがしなどをせず、見ていただければいいな、と思う作品でした。個人的にはCLANNADより泣けた作品でした。

~非常に多忙な身ですが、この作品を見て思ったのは、休めるようになったら、、、、どんな小さなことでも、近いところでもいいので、子供たち、家族とともに思い出作りをしたいな、と思う今日この頃です。

悠貴君、安らかに。未来ちゃん、がんばれ。

投稿 : 2014/09/05
閲覧 : 171
サンキュー:

12

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