トトと申しますよ さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
他のヒロインに対する仕打ちがひどすぎる…(泣)
エロゲが原作の恋愛を主体としたストーリー。新市街の高校に通う主人公達が経営難で旧市街の女学校との統合計画により試験期間として編入されることに。
親友や妹と共に編入生としてやって来た主人公は、編入に反対する愛理を始め数人の特徴的なヒロインと出会うことに…。
名作が多いといわれる2011年の秋アニメで、同時期にFate/zeroが放送されたこともあり聖杯戦争ならぬ正妻戦争として注目を浴びていました。エロゲが原作でありながらあまりエロに頼る事無くストーリーも良い方向に描写されていました。
ただ原作が一定の選択肢を選んで各ヒロインのルートを辿るという、普遍的なギャルゲだと考えると複雑。同年に放送されていたISはハーレムが主体だったので、各ヒロイン派の対立がありながらも争うことなく穏健に保たれていたように見受けられます。
しかしギャルゲが原作のアニメはどのように各ヒロインと仲良くするか、或いは共に添い遂げるか重要になってきます。それを考慮した場合、各ヒロイン派の反応を窺うかが肝心です。そういう意味ではこのアニメは「やってしまった」という感覚が非常に強いです。
中盤までは原作における共通ルートとほぼ同じの展開ですが、途中からとあるヒロインのルートに入り終盤までその状態で進みます。
原作をプレイしてない方にはあまりダメージが少ないのですが、原作既プレイや強い思い入れのある方には大ダメージになること間違いなし。そのヒロインだけが優遇され、他のヒロイン達は冷遇される始末。しかも主人公と恋人になれなかったヒロイン達は「一生独身宣言」までします。これを見た時、筆者自身を含め多くの原作プレイヤーが深い悲しみに暮れました…。
更に18禁版ではサブでありながら大人気を得、移植版ではヒロインと昇格した沙凪に対しては酷い仕打ちです。「スタッフは沙凪が嫌いなのか?」と思わせる程に彼女に対して辛辣な展開を迎えさせます。
ギャルゲが原作のアニメでは「主人公がとあるヒロインとくっつく」か「それとも各ヒロインのルートを辿る」かが重要な観点になってきます。このアニメは前者の方ですが悪い方向に行ってしまったようです。せめてアマガミやフォトカノのストーリー進行であれば良かったのですが、1クールでは少し無理があるか…。
このアニメで得をするのは主人公に選ばれたヒロインの派閥と、移植版で追加された影のうすーいヒロイン(出番が殆どなかった)だけだったと思います。もっとも今は昔の出来事ですが…。
ストーリー進行意外に関しては概ね良い方向です。音楽も良かったし、作画も崩壊してるとこは見られませんでした。ただ、このような出来事があったことだけは風化してほしくないです…。