トトと申しますよ さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ストーリーを生かすも殺すも監督&脚本次第
ガンダムseedの続編として描かれた作品。前作から約二年後の設定になります。主人公はオーブで家族を亡くしてしまったシン・アスカ・・・・・・の筈でした。
アンチが多いことでも知られるガンダムseedの作品ですが、これがアンチに叩かれる原因になったとしても過言ではないかと。
前半は前作と同じ展開でガンダムが奪われ、それを取り返すためにシン・アスカや戦艦ミネルバが奮闘します。そして殆どの戦いは地球で行われることに。前作程の派手な戦いはないが、前作以上に多く戦死者が出る事に。
今回では前作でコーディネイター排斥を目的とするブルーコスモスと地球連合の裏にロゴスという謎の組織が暗躍し、そのメンバーが地球連合を操ってシン・アスカ達に立ち向かいます。
熾烈になる戦闘の最中でキラ・ヤマトとラクス・クラインの姿がチラリ。思えばこの時から視聴者に嫌な予感を持たせてしまっています。
そして嫌な予感は的中。中盤からキラ・ヤマトが前作でほぼ無敵の活躍をした機体に乗って、戦闘を行う彼らの前に立ちはだかります。キラ・ヤマトやアークエンジェルは戦闘を中止しろと訴えますが、はっきり言って彼らの行動は視聴者からは混乱をもたらす迷惑な人にしか見えません。そして次第に目ざとくなります。
そしてアンチが叩く要因にもなったのが主人公の交代。なんと後半ではシン・アスカに代わりキラ・ヤマトが主人公に戻るのです。エンディングのキャストでもキラが一番上になっています。この瞬間、ストーリーは完全にキラを愛して止まない監督と脚本の手に握られてしまいました。
主人公がキラ・ヤマトに移ってからは如何にもキラ達が正しいように描かれており、彼らの行動は賛成され敵は反対されてます。前作と同様に今まで指導者の立場にあったキャラがカリスマ性を失ってキチりだし、キラ達の都合のいいように自滅します。ロゴスもキラ達とは関係なく、シン・アスカ達の手によって滅ぼされ、面倒くさい敵を他の奴らに任せた形でこれまた都合のいいように描かれてます。
最後はキラ達の機体はほぼ無傷で、勝利の瞬間のシーンはキラ・ヤマトのファンだった人でさえもドン引くこと間違いなし。人によって異なりますが、これではシン・アスカに同情する者が出るのも仕方のなかったことでしょう。
決してシン・アスカや彼を信用するザフトの指導者ギルバート・デュランダルが善とは考えませんが、キラ・ヤマト達が正しいかと思うかどうかとなると頷けないものがあります。というかキラ達のせいで余計な犠牲者が出すぎです。
スペシャルエディションやHDリマスターの内容では、その後キラとラクスはそれぞれ軍人と指導者として最高の地位に立ってます。キラはシャアよりも上の階級です。監督と脚本のいいように描かれて視聴者がいい思いをしないでしょう。
一応、名シーンもあるのですが前作に比べてバンクシーンが多用されてるため微妙な出来上がりに。作画は悪くないのですが。
監督はこのガンダムseed destinyの影響で仕事を干されていました。しかし今年(2014年)の秋に「クロスアンジュ」で再び監督業につきます。今度こそはどのような作品になるのか、反省が生かされているのか楽しみです。