朝霧麻衣 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
作りこまれた作品の雰囲気が絶妙
突如「契約者」と呼ばれる能力者が現れ、能力を悪用する闇の組織、それに敵対する国家組織などが出てきます。基本的には両者の対立や組織同士の抗争などを発端とする異能力バトルアニメです。
この作品の良さをあげれば大きく二つあります。
・バトルアクションの見応え
ただアクションに迫力があるのではなく、設定によってバトルが映える作品となっています。契約者は能力を使うためには何かしらの代償を支払うことで能力を発揮できます。この設定によって、相手はどんな能力を使ってくるのか?何を代償にすることで発動するのか?といったことを考えながらバトルをしていきます。見ている側も予想できないためバトルに独特の緊迫感があります。また発動させるための代償は、苦痛を伴うものや何かの媒体が必要となるもの、何気ない仕草や動作といったものなど多岐にわたるため、それがバトルに深みを与えています。
・作品が醸し出す独特の雰囲気
基本的には闇の組織に所属する「黒」という男が物語の主軸となって最終回まで話がつなっがていますが、2話ずつぐらいで新たに関わる人物毎のエピソードがあります。このエピソードが毎回さまざまな疑問を残してクールに幕を閉じていきます。細かい内容には触れませんが、毎度救われないといいますか、バッドなエンドを迎えていく何ともいえない雰囲気がこの作品にはあります。雰囲気は全体的には暗いのですが、全然不快にはなりません。
何が言いたいんだ?と思われる方は是非一度視聴をお勧めします。自分の薄っぺらな語彙力ではこれが精一杯でした(汗)
他にもこの作品を独特な雰囲気に仕上げている魅力的な設定がたくさんあります。「この夜空に映る星たちは契約者たちの命の輝き、命を落とした時に流星として流れ落ちる。」とかお気に入りです。(単純に中二臭いのが良いとか言ってるだけじゃね?と思われるかもしれませんが...)あとバトルの項目でも記述しましたが、能力を発揮する際に必要な代償というのが、それだけでキャラに強烈な個性が出ています。契約者は人間とは異なると作中で言われていますが、むしろ人間臭さが増しているように感じました。そういった設定を含めて、この作品が独特な作品に仕上げられているのだなと思いました。