Lovin さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
見た感じ
■概要{netabare}
原作:大地丙太郎
作画:たかしたたかし
監督:大地丙太郎
脚本:池田眞美子
キャラクタデザイン:柴田由香
手話指導:南留花
制作強力:コミックス・ウェーブ、亜細亜堂、ガイナックス
{/netabare}
■感想
原作漫画は未読でTV放送にて視聴。子供が営む万屋の話。自主制作作品らしい。
うろ覚えレビュー。
{netabare}元気担当の空(そら)、美貌担当の海(うみ)、頭脳担当の碧(あお)が、故あって姉妹として浜辺の万屋「イルか屋」を経営する話。何故姉妹を名乗っているのかについて、アニメでは詳細を語られないが、イルか屋を経営する理由については、少なくとも私が小学生の頃なら夢物語に終わるような壮大な訳がある。
地域の人々から依頼を受け、三姉妹それぞれの得意分野を生かして依頼をこなしていく。元気担当の空は体力を要求される仕事、美貌担当の海は人間関係の清算をする仕事、頭脳担当の碧は頭脳を要求される机上の仕事が主戦場となり、その報酬を夢の実現の為に貯金している。
三姉妹は小学校に通う年齢ではあるが、実際通っては居ない。その理由については前出の通り、アニメでは詳細を明らかにしない。そういう核心部分について謎が解けない不満は残るが、それだけに子供にも安心して観せられる無難な作品に仕上がっている。
本作品は自主制作作品らしいが、アニメージュに連載されていたという過去があるらしい。私が初めてこの作品を知ったのは、ケーブルテレビ局のキッズステーションの放送を視聴したことだった。本格的に手話を取り入れた初のアニメ作品であるとの触れ込みに一寸興味を引かれた。
何故手話を作中に取り入れる必要があったのか、三姉妹について知れば一目瞭然なので書いてしまうが、{netabare}碧がろう{/netabare}であることが理由である。私に手話のスキルはないので真偽の程は定かではないが、現実に通じる正しい手話になっているらしい。
私が原作漫画の存在に触れた理由については、上記のように不幸を背負う少女達が、学校にも通わず働く理由が気になったからだ。アニメではその詳細に触れられず、何故其処に至ったのか、何故そのような境遇に置かれているのか、アニメを観ただけでは満足できなかったので、原作があるならそれを読んでみたいと思ったからだ。
作品自体には非常に興味深いものを感じるが、アニメ作品には描ききれて居ないと思う部分があり、そういう部分が気になる方にはお奨めできない。単純に、万屋が引き受けた依頼に関わる話をコメディとして楽しめるなら問題ないだろう、と思った複雑な気持ちにさせる作品だった。{/netabare}
□2014/09/21追記:原作漫画を読んで
原作とは顔がまるで違う、全員眼が縦に長く大きいし、髪色も人相も違う。漫画は、たかしたたかしという漫画家の絵で、アニメは大地丙太郎の絵だからなのだろう。印象はかなり違う。
しかし三姉妹の登場シーンや、その後に起こるエピソードも概ね原作の通りだった。原作漫画を読んで判ったことは、アニメは原作のページ数で言うと四分の一程度しか描かれていないこと。
肝心の、私が知りたかったイルか屋三姉妹の過去についてはしっかりと描かれていた。碧については台詞だけだったが、三人の出会いから現在のイルか屋誕生までの話が描写されていた。
三姉妹のエピソードで一番重かったのは万屋発起人の空だった。重いというより、壮絶というべきか、ある依頼が元で、壮絶な展開の末、空は両親に引導を渡すことになる。
ラストは、三姉妹の目的はまだ達成できず、俺たちの闘いはこれからだぜ「未完」だったが、それも含めて和気藹々とした雰囲気で終わるのも原作と同じだった。
総括するとアニメ版は、かなり端折ってはいるものの、概ね原作の通り出来ているということ.作者が同じだから当然と言えば当然だが、絵柄がかなり違うので、アニメと原作のどちらから入っても戸惑うことは間違いないと思う。
■蛇足{netabare}
キャストに余り印象がない。
碧は名塚香織だったようだが、当然喋らず吐息だけだったので。
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