三崎鳴 さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
痛快?娯楽?復讐劇?
『スクライド』『コードギアス 反逆のルルーシュ』『無限のリヴァイアス』など数々の名作を手がけた谷口悟朗監督作品。痛快娯楽復讐劇をキャッチコピーとしたロボットアニメ。
谷口監督の作品となるとそれぞれの作品に<ノリ>があり、それが肌に合わないと作品自体に嫌悪感が沸く。本作では夕方アニメチックなノリが悪い方面に押し出されているように思える。まず第一、復讐劇と銘打つ割に主人公の復讐の動機の描写が浅く、共感を得ることに失敗していて、ただ主人公が我侭に暴れているだけのようで、魅力を感じない。キャラに魅力を感じないのは主人公だけに限らず、旅の道中のお供達が主人公と旅路を共にする理由付けもされておらず、RPGで倒した敵が仲間になるようなレベルの感覚の軽さ。そしてロボットアニメであるにもかかわらず戦闘シーンに迫力がなく主人公も敵も『馬鹿!この馬鹿!』と叫んでいるだけで何も面白くない、ましてやタイトルから想像されるようなガンカタもなし。終盤はある程度の盛り上がりを見せるものの全体的にテンポが悪く、構成も決して良いとはいえない。本作が一部で高評価を得ている理由と言えばやはりそういった一作品としての欠陥など無視した勢いではないだろうか。しかしながら個人的にスクライドのような熱さもコードギアスのような頭脳戦もリヴァイアスのような濃い心理描写もない本作に魅力は感じなかった。谷口作品では展開が明後日の方向に向かいながらも自制が利いており良い程度にまとまっている印象があるが、本作では突飛性という言葉の意味を取り違えた印象が強い。