「さらい屋五葉(TVアニメ動画)」

総合得点
67.6
感想・評価
379
棚に入れた
2001
ランキング
2405
★★★★☆ 3.8 (379)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ノイタミナの人情派時代劇。スローテンポだが、良作。ACCA13区監察課と同じ作者です

ノイタミナ枠の時代劇アニメ全12話です。
時代劇だけど、剣劇バトルよりも人情劇主体で、ゆっくりと濃密に人間模様(主に主人公のヘタレ侍と、飄々とした用心棒の友情)が描かれていく。
派手なバトルや萌えやドラマチックさは乏しい地味な作風ですが、独特の風情が魅力。
BL…という程ではないけれど、男子のユウジョウ重視かも。

※2014年08月30日初投稿を加筆修正。
2017冬アニメ「ACCA13区監察課」と同じ、オノ・ナツメ作品です。

{netabare}『物語』
江戸の時代劇ならではのミッションや人情劇は派手さは無いが、見所タップリ。
かなりリアルに時代劇というか、江戸時代の風俗を感じさせてくれる雰囲気がまず良いです。

主人公の侍・政(マサ)は今風に言うとコミュ障で、ヘタレ。だが剣の腕は立つ。
そんなマサを、誘拐組織「五葉(ごよう)」の頭目・弥一(やいち。通称イチ)が見込み、色々と世話を焼いてくれて、マサはなし崩し的に人攫い集団の用心棒として関わっていく…。

主人公・政(マサ)の、もどかしい性格と喋り方も相まって、非常にスローテンポで地味な展開。
人攫い組織「五葉」(ごよう)の面々は皆ワケ有りだが人情派で、彼らとの交流や仕事(無論、人攫いだが極悪ではない)を通じて、マサが人との関わり方や己の弱さと向き合っていく感じ。
ウジウジと悩みつつも、すぐには明快な答えなど出ない。
江戸の人情模様が淡々と描かれる中、マサは少しずつ、変わっていく。
どう変わっていくのかは明快で無いのがもどかしいけれど、とにかくスローテンポ、ゆっくりと。
…その過程で、マサに対するイチの、弟分の成長を温かく見守る的な人情がひとつの見所でしょうか。

マサ以外の五葉たち、特に無口でストイックな仕事人・松吉の過去、それ故のイチへの信頼や、おたけさんへの想いが良かったです。

一方でさらい屋稼業は危ない橋なので、ハラハラする緊張感が見所でした。
人攫いは犯罪だけど、人情味ある展開が多くて好感持てる。
後半は大規模な盗賊一味が出てきたり、結構緊迫した展開に。
割とシリアスな話になっていくが、ラストも明快な答えを出す事は無かった…。
これを消化不良と見るか、こういう独特の作風と見るか。

総じて、グイグイ引き込まれる程の派手さこそ無いが、淡々と、いつの間にか物語に惹き込まれていく独特な魅力あり。
凄く面白いタイプではないけれど、視聴して良かったと思えた良作です。


『作画』
アニメの主流からは外れる独特の画風。萌えとか燃えとかは期待出来ない。
全般に色彩は暗く、それが江戸時代のリアルな質感を伴った映像の魅力になっている。
江戸の風俗等、マニアックな考証に基づいた描写は一見の価値あり。

『声優』
全般的に、渋い。地味ながら、訥々(とつとつ)と語りかけるような好演が多い。
浪川大輔さんのヘタレ侍っぷり、櫻井孝宏さんのイケメンっぷりが良かった。

『音楽』
派手さは無いが、人情派時代劇にマッチしたBGMが良かった。


『キャラ』
人情派時代劇として、魅力的なキャラクターが多し。
マサは気弱でお人好しな好人物だがいつもウジウジしているので、主人公としては地味。
地味だけど、五葉に順応して成長した…ような、してないような、微妙な感じがむしろ持ち味かも。
イチの方が面白味ありましたが、終始見守るポジで謎多きイケメンな感じ。
ストイックな松吉かっこいい。
女性陣はおたけさんも魅力的な女性でしたが、お絹ちゃんが可愛かった。{/netabare}

投稿 : 2017/01/18
閲覧 : 515
サンキュー:

32

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