kwm さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
これで泣けないとか人間じゃない ⇒ まさかの宇宙人認定へ
どうもこんにちは、宇宙人です。
本作はクラナドと肩を並べ、今更語る必要も無いほど泣けるアニメの代表作として広く知られた作品です。
以下に並べた本作の上位を占めるタグはいずれも泣ける系のものばかりで、これだけでもクリックした人の数は4000人を軽く超えます。
『泣ける』 2000人
『名作の予感』 1300人
『涙腺崩壊の可能盛大』 1300人
『涙腺崩壊』 1100人
『神アニメ』 1000人
評価の平均点は名作にだけ許される驚異の90点超え。
投稿された感想数は数少ない10000件超え。
泣けるアニメランキング第二位。
DHCコスメ部門売り上げランキング第一位。
ここまで錚々たる輝かしい評価を見せつけられ、『泣けない人間はいない』なんてレビューまで投稿されたら見ないわけにはいきません。
だって人間だもの(みつを)
しかし悲しいかな、このレビューを投稿するにあたりわたくしは本日付けで宇宙人となります。
俺、このレビューを投稿したら涙の無いあの星に帰るんだ。
泣く事はできませんでしたが、この作品は『幼い頃のあの日の思い出』という万人に共通するエピソードを元に描かれているので、非常に大衆向けの作品で一話から自然に入り込む事ができる『とっつきやすい』作品です。
あらすじをろくに読んでいない私でさえ、一話目でどんな作品であるかすぐにわかったくらいなので、SFやファンタジー作品のように世界観に慣れるまで時間を必要としないのは良い点だと思いました。
これは物語が展開される空間が『仲良しグループとその地元』という狭さ故のものだと思います。
しかしだからこそ、狭く『深く』描いて欲しかったというのが正直な感想です。
世界観が壮大すぎて広く浅く描いてしまい足りないものが多くなってしまった作品は沢山ありますが、この作品からは『狭いのに深く描かれていない』という印象を受け、あまり感情移入する事ができませんでした。
援助交際するほど荒れてるわけでもないのにそれっぽいシーンがあったり、少し無駄が多すぎたかなと思います。
描こうとしている事は凄く良くわかるのですが、描写不足感は否めなかったです。
幼い頃のあの日の思い出と皆の近況についても、もっとふり幅を持たせて泣かせにきてほしかった。
彼らの頭の中にある過去の思い出を断片的に描くのではなく、もっと時間を使ってあの頃がどうであったのかを描いて欲しかったです。
特に最終局面に繋がる過去の描写がもっともっと欲しかった。
予め時間をかけて最後と同じ事をさせておいて、そこで幼い頃の恋心なんかも一緒に描いてくれていたら良かったなと思いました。
秘密基地にいたというだけでは思い出としてちょっと足りなかったかな。
最後の展開は唐突感が物凄くて正直一歩引いて見ていたんですが、過去との対比がもっとあれば昔の思い出とリンクして大号泣できたと思います。
ラストシーンはうるうるする事もありましたが、涙が零れ落ちるほどではありませんでした。
ちなみに一番印象的だったのは『ゆうしゃめんま』の理由がわかった瞬間で、こちらの方がぐっと心を捕まれてこみ上げてくるものがありました。
もしかしたら、ラストシーンは台詞が多かったのも私の好みに合わなかったのかもしれません。
映像で泣けるという部分がなかったように思います。
いずれにせよ、これだけ評価されているので数少ない泣けなかった派の私が異端なのは間違いないでしょう。
30秒にも満たないCMで泣いた事があるほど涙腺が弱いのを自覚してるので、色々と悔しいですがこればかりは仕方ないですね。
泣く事はできませんでしたが、だからといって駄作かと言われるとそうでないのは確かです。
作画は綺麗で声優の方も違和感はなかったし、『自分は泣けなかったけど皆絶賛してるよ』という形で性別や年齢を問わず万人に勧める事ができる良い作品だと思います。
色々と合わない部分がありましたが、泣ける作品の代表作として嘘偽りはないと思います。
自分が宇宙人だとわかり、自身の人間性を疑ってただひたすら泣く事はできました。
おわり(人生的な意味で)