ローズ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
時は金なり
大学生の主人公・余賀公麿(よが きみまろ)。
大学の学費など自分自身で生活費を稼いでいた余賀だったが、ある日、真坂木という外見がピエロのような人物に金融街へと招待される。
不思議な空間である金融街を舞台に近未来の日本でお金を題材にした作品。
まず違和感があるのはお金を使ってバトルするところ。
勿論、金銭の使い方によって強弱がある事は分かっています。
ただし戦いになる事とは別物。
ある種の比喩的表現と解釈したほうがよさそうです。
金融システムをアニメ化する事は斬新だと思います。
ただのお金儲けを描いた事とは少し違います。
金融街に対する信用によって作られるミダスマネーと呼ばれている黒い紙幣や個人の将来を担保にするなど現代の金融システムを模して作品を作ったのでしょう。
東南アジアの金融街が破綻して壊れていく様子は金融恐慌そのもの。
お金への信用が無くなるだけで簡単に金融システムは崩壊してしまいますから。
不安定な社会ではお金を貯めこもうとする考えは分かります。
しかし金は天下の回り物。
ある程度、お金を循環させないと日本のデフレ景気の時代のように。
富裕層が資産を貯め込み貧困層との格差社会になるのも社会的な問題です。
たしかにお金は大事なものですが、手段と目的を間違えるとただの守銭奴になってしまいます。
ご利用は計画的に、ですね。
本当に大切な物は何か。
お金で全ての物事を解決できるのか。
少し分かりにくい表現がありますが、上記の事とお金の必要性などを考えさせられる作品でした。