K.K.. さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「死者」を探す物語。
主人公である、榊原は夜見山に越して来る事になり、病室のベッドの上から物語は始まる。
父の仕事の関係で越してくる事になったそうだ。その父はインドにいる。
父は事ある毎に榊原の携帯に電話しては、「インドはあちぃぞ~!」などと現を抜かし、子供を困らせている。
榊原は病院で左目に眼帯を巻いている少女、見崎鳴とエレベーターの中で出会う。
榊原はその少女が学校で「いない者」にされているという現実を知らず、興味本位に話しかけて行く。
当初は近寄ることを拒んでいた鳴だが、次第に拒むのを辞めるようになる。
既に何かが始まったのだと。
舞台である夜見山では、主人公の通う中学である「現象」が問題になっている。
それは、毎月必ず誰かが死ぬ。という物だ。
所謂、災厄と言われており、クラスに居る筈の無い、「死者」が存在する事によりその現象は起きている。
このアニメは、その死者を見つけ出し、災厄を止めるというのがゴール地点だが、死者も気持ち半ばで見つかるものではない。
死者には記憶が無い為、自分が死者である事を自覚していないのである。
そこに救世主となる存在が、見崎鳴である。
見崎鳴の左目は緑色に輝いており、その目は普通の人間じゃ観ることが出来ない、「死に近い者」の存在を認識出来ると言う。
最終回ではその目の力を使い、死者を見つけ出し榊原のおばさんである、三上副担任を殺害する事に成功する。災厄を止めたという訳だ。
見崎鳴は、普段は眼帯を取らない為に、死者が誰なのか最後の最後まで分からなかった。その為、複数の犠牲者が出てしまった。
周りが止めるにも関わらず、見崎鳴に話しかけて行くその勇敢な姿は、現代を生きる我々日本人も学ぶべき態度である。
結果として「いない者」として、榊原は集団シカトを受ける事になるのだが、それでも堕ちる事なく、見崎鳴と親交を深めていく。
我々は、イジメを受けている者を助け出せるだろうか。目の前に殺人犯が居ると仮定して、その殺人犯を捕まえる事が出来るだろうか。
結果は「NO」だ。
恐らくは、その勇敢な行為を取った後で自分に起こるリスクを考え、躊躇してしまうのが落ちであろう。
そういう点で言えば、このアニメは現代のストレス社会を生き抜く、我々日本人の良き「教材」となるだろう。
かくいう私も、臆病だ。とても臆病だ。
しかし、このアニメを観終えた事でこういった事を考える事が出来た。それは収穫と言って差し違いないだろう。
私、K.K..は何事も勇敢に挑み続ける者を心から全力で支援する。
「あなたは、動けますか。」
最期まで読んで頂き、ありがとうございました。