天啓 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ONE FOR ALL
ちょうど甲子園も大阪桐蔭の優勝で幕を閉じました。
いいタイミングで本作を見終わりました。
1期は創部したての西浦高校野球部が夏の埼玉県大会に出場
前年度優勝校相手の一回戦をどう戦い勝利したのかまでを描いた作品
二期は その夏大会 2回戦以降負けるまでの戦いを主軸に描いている
一期、一番面白いと感じた、バッターとの駆け引き、尺の関係もあり
大幅に削減されてます。
二期では前期より対戦相手も含めた登場人物の心情、とくに野球への
思い、情熱という部分が主に描かれています。
それと、原作者は女性らしいですが、作者の野球に対する思いと
今でも賛否両論ある、敬遠についての考え方が意見として作品に込められています
●やるからには、頂点を目指しなさい
●敬遠は勝つための立派な作戦
という強いメッセージを受け取りました
敬遠については、学生野球なんだからすべきでないという意見もあります。
少年野球レベルであれば、それでもいいと思いますが
高校野球ともなれば、目指せ!全国制覇!これを合言葉に、多くの球児が戦うわけです
そして何より、野球はチームプレーであるということ
チームとして勝利を目指すために、許される範囲内で何でもやるべきである。
小学生の少年野球であれば、この考えに反対なのですが
高校野球というステージにおいては、この作者に共感させられました。
みんな(チームは)勝つためにやってるのですからね
それと勝つために手段を選ばずとのことですが、行き過ぎで、ルールを
逸脱するのは絶対ダメというエピソードも本作には描かれています。
わざとラフプレーを行い相手の選手を潰すことを繰りかえそうとする
相手校コーチが悪役として唯一描かれていました。
でも、その人は現役時代 優勝候補筆頭の高校にいて、初戦負けをした
ことから、勝利への執念が人一倍強いということで、ある程度救いの部分
を残してあるのが上手いです。
駆け引きシーンは大分減りましたが、5回戦(負けた試合)では
それもある程度復活し、相手も研究してきていることから
一筋縄ではうまくいかず、ハラハラ、ドキドキの展開でした
その緊張感に引き込まれました。
結局はその試合に敗れますが
それが、更にチームの結束を高め、次へのステップへの足掛かりとなるのでした
そしてチーム全員が [全国制覇!]という目標に統一されていきます。
彼らはまだ1年生ですからね、あと2回もチャンスがあるのですから
総評
本作は 野球アニメとしては大分異質な作品でした
普通野球アニメと言えばスポ根と思いがちですが
この作品はスポ根要素はもちろんありますが、それより、野球という競技に
対する作者の愛情と 野球好きの人間の思いを登場人物に代弁させた
名作と言えるでしょう
野球好きは必見の作品です。