どらむろ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
オリジナル含めて大満足、二期来てほしいです!
ホームレス同然で5円(安い)を報酬に神様稼業に精を出す神様・夜ト(やと)と、夜トのせいで幽体離脱体質になってしまい、神や妖の世界と関わっていく15歳の少女・ひより、14歳で死んだ少年霊・雪音の三人を中心に織りなすストーリー。
物語、作画、声優、音楽、キャラ全てが高水準、2014年冬アニメでも屈指の良作です。
{netabare}『物語』
マイナーだから必死に営業する神様と、日常の裏では妖の怨念が満ちている危険な世界に踏み入れたお嬢様というユニークな設定と取り合わせ。
夜トのお茶目さとひよりの気真面目さ、善良さが合わさり、序盤は割とコメディー風味で楽しい。
開幕から、夜トの魅力とひよりの可愛さに目を引かれた。
前半の個別エピソードも、人間の業を題材にしていて考えさせられる。
人間の負の側面・怨念に触れていくダークな要素も、夜トの飄々とした茶目っ気のお陰で適度にシリアスとコメディーの均衡を保っていた。
14歳という、まだ生きていたいであろう年頃に死んでしまって死霊になった少年・雪音との、夜トとひよりの関わりがストーリーの柱だった。
雪音が罪を犯す度に自分に穢れが溜まって命の危機にありながら、何も語らず雪音に厳格に接する夜ト、雪音に優しく接しながらも二人の苦しみを知り悩むひより、夜トに反発しひよりに甘えながら、過ちを止められない雪音。
ひよりの優しさだけでも解決出来ない、まさにお父さんとお母さんが二人三脚で息子に接するような。
まるで夜トがお父さん、ひよりがお母さんみたいだった(ひよりちゃん中学生なのに!)
雪音に対しイラつく人も多いかも知れないが、少年にはグレる理由がある。
雪音が悩みグレていくのは、無理も無い事だと思った。
※余談。
若い視聴者は雪音のような「若く未熟故に道を間違えるキャラクター」に非寛容になりがちのように思われますが、私は若さゆえの苛立ち葛藤もまた物語の大事な見所だと見る。
そこを寛容というか(生温かく見守る)視点があれば、大抵の「ウザい」キャラも可愛く思えるものです。
夜トは早く雪音に「雪音が罪を犯すと夜トな穢れ溜まって死ぬ」事を説明してやれよ…と思った。
夜トの説明不足が事態を悪化させているのでは?
とも思ったが、雪音が自分で気付かなければダメなんだな、きっと。
終盤はオリジナル展開で夜トの因縁の敵と対決。
オリジナル展開でやや急な感じではあったが、バトルは白熱。
雪音がひよりや小福たちの助けも得て乗り越えた結果が、夜トの刀となってのバトルにしっかり繋がる、熱い展開だった。
記憶を奪われたひよりが記憶を取り戻せたのも、今までのストーリーの集大成というか、三人が乗り越えてきた絆の力だと思った。
毘沙門天一味とは顔見せ程度、ここは是非とも二期に期待したいところ。
物語、作画、キャラクター、声優、音楽、全てが高水準の良作だったので。
原作読者だが、オリジナル展開でも原作の持ち味は壊れていない点も高評価です。
『作画』
かなり良いだろう。キャラ作画はひよりちゃんが超可愛いです。
妖バトルもスタイリッシュ。萌えも燃えも高水準。
『声優』
神谷浩史さんの夜ト、内田真礼さんのひより、そして梶裕貴さんの雪音がいずれも見事に持ち味を発揮。
特に梶裕貴さんの雪音は抜群のハマリ役だった。
他の声優陣も極めて豪華で錚々たる顔ぶれ、声優陣の好演も本作の魅力か。
野良の釘宮理恵さん…くぎゅうううう!
『音楽』
OPはスタイリッシュでカッコ良く、EDはひより視点で主題を完璧に捉えつつ優しく歌い上げる良曲。
作中BGMも文句無しのクオリティー。
4.5にしようか迷うレベルだが、個人的にツボという程でも無いのでちょっと辛い評価。
『キャラ』
お茶目で飄々として一見頼り無いけど決める時は非常に頼れるマイナー神・夜ト、良家のお嬢様で中学生でありながら雪音の母親役を見事に努めたひよりの二人が素晴らしい。
ひよりちゃん可愛いよひよりちゃん。すっごくええ子や!
好奇心旺盛で元気一杯なお転婆さ、育ちの良さが滲み出る礼儀正しさ奥ゆかしさ、夜トや雪音を思いやる優しさ、自らが傷付いても夜トを救おうとする強さ気高さ。素晴らしいヒロインだ素晴らしい。
これでJCとは…!
雪音君も可愛かった。雪音君を可愛いと見守れるか否かで本作の評価が割れそう。
天神様や貧乏神の小福、大黒など、いずれも魅力的キャラ揃っている。
二期があれば、毘沙門一味の出番も期待出来るハズ!{/netabare}