ほったっる さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ラピュタかな?
実家帰ったらWOWOWでやってたアニメその2
100分程度のアニメ映画。
ある実験に失敗したことで重力を失い、空に落ちるようになった人々がいた。
それ以降、空を忌み嫌うようになったアイガという世界に住む少年エイジ。
空に落ちないように地下の世界に住む少女パテマ。
外の世界に興味のある好奇心旺盛なパテマが、ふとした出来事からアイガの世界に降り立ち(むしろ落ちた?)、空に憧れるエイジと共に協力しながら元の地下へ戻ろうとするところから話が始まり、それを阻む謎の組織との争いに話が発展していくというところ。
お話の構造を見ていくだけでもラピュタかな?という感じがありますが、さらにラピュタ感が出ている設定がいくつか出てきます。ネタバレを含む所があるので伏せてはおきます。
{netabare}といった感じの印象が最後の10分間で崩れるというのがこのアニメのすごいところ。
まさかまさかの主人公とパテマの立場が逆だとは。
ラスボスが宗教じみた考え方を徹底している理由もこれで解消されました。
最後の最後でパラダイムシフトが存在する、ここがラピュタとの決定的な違いです。{/netabare}
注目すべきは「視点」にこだわった物語と演出でしょうか。
パテマは最初、あたかも地上で生活する人かのような映し方をしていますが、アイガに来てからというもののサカサマの状態に。それを画を180度回転させることで見せていくという変わった手法を何度かとっています。
またエイジは空に落ちていく恐怖を理解しているつもりでしたが、いざ高いところから落とされる恐怖を味わうとパテマのことを理解していなかったと自戒。相手の視点をここで初めて認識します。
重力に従う人間と空に落ちていく人間。
あるいは、地上で我が物顔で暮らす人間と地下で隠れながら暮らす人間。
人々の視点を意識せずにはいられない、物語と演出がふんだんに盛り込まれています。
{netabare}その視点を最後のパラダイムシフトでまた180度ひっくり返すところも憎いです。空に落ちる落ちないどころではなく、立場さえもひっくり返す予想外の展開には驚きました。 {/netabare}
人間の見えるもの、考えることをサカサマにしてしまう、あるいはサカサマになることもあるということが伝わる良い作品でした。
設定上、二人が同じ世界に居る為には抱き合わないといけないというのも良いですね。
{netabare}それで二人の純愛が際立ちます。キスシーンを見せないという古典的なやつも純愛さを引き立ててますね。なんかもう汚れた大人が彼らのキスシーンを見ちゃいけませんよ、ほんと。{/netabare}
キャラの作画は少し苦手な部類でしたが、先述の演出が素晴らしいので良いと思います。あと風景の描き方が素晴らしいです。繰り返しますが、ラピュタを思わせるような世界が描かれてます。
音楽はEDの歌が印象的でした。すごく優しい歌声で、締めにふさわしい曲です。
最後に一つ、言いたいことを・・・
パテマの胸は大きいのか、小さいのか最後までよくわからんかった!!
エイジさん!お願いです!教えてくだ・・・
=====○)д`);.・;゛;ブッ
まぁ私はおっぱいに貴賤無し派ですけどね。