uppo さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
異端の中の異端なアニメだと思う。
全22話。
製作者側のぶつけたかった事を全ては把握してない気がする。
この作品にのめり込める人はかなりの強者だと思う。
1日でぶっ通しで見た方には拍手を送りたい。
この作品はとにかく暗い。
笑いも恋愛も友情も家族の絆も全くないです。
人の醜い所とかオンパレードで詰まってるし、そういうのもちゃんと受け止められないとこの作品は見れないと思う。
序盤はセリフ少ないし、理解するのが難しい所が多々あったと思う。
19話20話で地上の世界を見る事によりようやくこの作品全体が見えてきた感じがした。
にしても革命者の吉井さんはこの作品に欠かせないキャラだろう。
ちゃんと最期まで意志を貫いた事は素晴らしい。
こういうキャラ大好きです。
何にしても人の醜態、脆弱さそんなものをまざまざと見せつけられたようなアニメでした。
閉鎖空間系の作品が好きな方にオススメしたいです。
以下ネタバレ。
{netabare}人は戦いによって進化できると信じた吉井さん。あんな生きた死人がいる地上にいたらこういう考えになるのもわからなくもないな。地上の環境が彼をつくり出したと思った。
「半端は駄目だ。」
テクノライズによって進化できると信じたドク。
どれだけ過酷な現実が待ち受けていようが生きる事に執念を燃やした櫟士。
最後の彼が衰弱していくシーンはこの街の終わりを告げるかのようでした。
物見で未来を見て、街の声として大西に聞かせ、平和を維持しようとした蘭。一番衝撃的な終わり方が彼女だったという人も多いんじゃないだろうか。
後、最初に櫟士を救ったのは、生への執着(光)を感じたからなのかなと勝手に思った。
そして、大西さん。平和な街という理想がぶっ壊され、仲間も沢山殺され、殺しても殺しても終わらない戦いに生きる事に疲れたようにも見えた最期のセリフでした。もう絶望しかないですね。
櫟士が地上へ行ってからこの世界を知る事により最後まで絶望感が増してましたね。
地下の人間はほぼ死んだんだろう。街は破壊された。
そしていつか街は再生し、また破壊そんな事を繰り返していくのだろうか。
細かい所まで理解するのはやや難だったと思いますが、この作品で一番感じとったのは「生きる」という事です。
どれだけの絶望があれば生きる事を諦めるのか、何をもって生きていると言えるのか。
この作品を見終えてそんな事を考えてました。
大変奥深い・・・。
{/netabare}